令和元年第3回定例会

令和元年第3回定例会一般質問 

※この定例会から一括質疑か分割質疑か選択できるようになりました。分割質疑で行っています。

 

◆しもむら緑 質問

 

墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。質問に入る前に、この度、九州北部の大雨被害及び台風15号によりお亡くなりになられた皆様に、ご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた皆様に、心からお見舞い申し上げます。

 さて、本年5月1日に墨田区議会基本条例が施行され、墨田区議会は、区民により開かれた議会の活性化へ向けての新たな一歩を踏み出しました。議会改革特別委員会の中で、より具体的なルールづくりの協議が進められ、この9月議会から運用が正式にスタートするに至りました。本会議質問におきましても、これまでの一括質問に加えて分割質問が選択できるようになりました。

 今回、私は、自民党を代表して、分割質問で、通告してあるとおり、山本区長及び加藤教育長に順次質問いたします。明確で前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。

 まず初めに、来年度の予算編成に向けて関連する質問を大きく3点に分けて伺います。

 1点目は、先月、東京都総務局から令和元年度都区財政調整の区別当初算定結果が公表された件について伺います。

 法人住民税増などで23区の普通交付金額は初めて1兆円の大台を突破し、前年度比6.2%増の1兆22億6,640万円という過去最高額を更新することになりました。墨田区においても、25億5,014万円の増となっています。長期的な視点で見ると、投資局面であると考えられますが、今回の結果について本区はどのように捉え、今後の課題を認識していらっしゃるのか。併せて、来年度以降の予算編成の対応についても伺います。

 2点目は、今後行われる都区財政調整協議会について伺います。

 令和2年度に先行して児童相談所の開設が予定されている世田谷区、荒川区及び江戸川区の経費の取扱いが大きな焦点の一つとなっています。実施する区側などから、これまで都区間の財政調整財源配分の変更や準備経費を特別交付金で十全に算定することなどが提案されていますが、合意には至っていません。これまでの協議の中では「財政措置の見通しが立たないようでは、児童相談所の開設準備及び運営に支障を来しかねない」といった指摘もなされています。

 先月末、鹿児島県でまた児童相談所とうまく連携が図れず、4歳の幼い命が失われました。命を守る重要な機関となり、運営のあり方を根本的に見直さなければならない転換期に差し掛かっています。墨田区はどのように考え、児童相談所設置に向けて動いていかれるおつもりか伺います。

 この質問の最後の3点目は、予算編成過程の公表強化について伺います。

 目黒区が、平成25年度の予算編成から、重点事業や新規事業などを中心に、一覧表や各事業の個票を区ホームページなどで公表していましたが、次いで、このほど港区が予算編成過程の公表強化の方針を打ち出しました。新規と拡充事業についての要求額と予算案計上額の「状況一覧」、各事業の「個票」の二つが新たに加わる見込みです。個票には、経費や財源の内訳ほか、事業効果や目標、現状の課題、区民ニーズを記載することで、より区民に区政参画を促すことが狙いとされています。

 公表に当たり、事務負担も考慮しなければなりませんが、区民目線で分かりやすい予算編成過程の公開に努めることは、より開かれた区政、そして区民満足度を高めるために大変重要です。墨田区としても、他区に倣い、今後さらに工夫して区民への見える化等の充実を図っていくべきと考えますが、区長の所見を伺います。

 

◆山本亨区長 答弁 

 

ただいまの自由民主党しもむら議員の来年度の予算編成に関するご質問に順次お答えします。

 まず、今年度の都区財政調整の算定結果についてですが、本区の当初算定額は約404億8,800万円で、昨年度と比較して約25億5,000万円の増となりました。今年度は、良好な企業業績を背景に交付金の増となりましたが、今後は、通商問題や海外経済の不確実性などによって景気の変動も想定されることや、法人住民税の一部国税化の影響などから、来年度以降の歳入環境は不透明な状況です。

 このような状況を踏まえ、今後の予算編成においては、増大する行政需要に適切に対応するとともに、より一層の行財政改革を推進し、効率的・効果的な区政運営を行っていくことで、強固な財政基盤を中長期的に構築していきます。

 次に、児童相談所の開設に係る経費の取扱い等についての都区財政調整協議の状況です。

 令和2年度に先行3区が児童相談所を開設することから、特別区としては、児童相談所関連経費を都区財政調整の基準財政需要額に算定するよう主張していますが、都は、財政調整算定の根拠となる「特別区がひとしくその行うべき事務」であるかについて、慎重に検討する姿勢を崩していません。

 本区においても、児童虐待防止は重要な課題であり、児童相談体制の強化に向けた積極的な取組を進めています。今年度から都と協定を締結して、子育て支援総合センター館長が定期的に江東児童相談所の会議に参加するほか、近隣自治体へも職員を派遣して、連携強化と人材育成を図っているところです。

 児童相談所の設置については、区長会として、財源の確保に向け、国や都に対し、現在も強く要望をしており、本区においては、引き続き課題整理を進め、児童相談行政の強化を図りながら、設置に向けた準備を進めていきます。

 次に、予算編成過程の公表内容の充実についてです。

 本区では、平成28年度予算から予算要求ベースで5,000万円以上の主な事業の要求額と査定額を公表し、さらに平成30年度予算からは査定内容も加えるなど、内容の充実を図ってきました。また、今年度は、区財政の収支見通しも記載した財政白書を作成します。さらに、事務事業評価シートも、予算額や執行率、根拠法令、経過、財源などの詳細情報も加えて公表する予定です。今後も工夫を重ね、予算編成過程を区民の皆さんに分かりやすくお知らせができるよう、取り組んでいきます。

   

◆しもむら緑 質問

 

次に、前期墨田区基本計画の主要な公共施設等の整備について3点伺います。

 1点目は、本年12月に開設が予定されている墨田区総合運動場について伺います。

 先般、墨田区議会有志で完成間近の総合運動場を視察させていただきました。大変立派な設備で、期待が膨らみました。是非、一人でも多くの皆様に利用していただきたいと思いますが、現在、小・中学校や体育団体、町会等の区内関係者の利用についての意向はどの程度把握しているのか伺います。

 さらに、稼働率向上に向けて区外の高校・大学等の意向調査や収支向上に向けた商業利用についての調査の現状を伺います。

 また、気になった点を指摘させていただくと、観覧場の約400席に屋根が付いておらず、夏場の炎天下の中ではとても座れる状態ではありませんでした。これでは、利用者からの苦情や稼働率に支障を来しかねないといったことが懸念されます。対策を講じていただくよう、強く要望いたします。

 2点目は、新保健センター整備事業について伺います。

 地域の連携を深め、保健医療体制を確立すると前期墨田区基本計画では示されていますが、医師会や歯科医師会等の連携や意見は反映されているのでしょうか。変更ができない状態になってから意見を伺うというのでは遅過ぎます。区民の健康増進や感染症などの健康危機に対応しなければならない重要な施設です。しっかりとヒアリングを徹底していただき、実行いただくよう強く求めます。

 また、教育センターやステップ学級など施設内の複合化に関する構想が明確になっておりません。何でも一緒にすればよいというものでは当然なく、専門家の意見も聴取しながら、しっかりとしたビジョンを議会に示していただくよう、こちらも強く望みます。区長の所見を伺います。

 3点目は、重度障害者グループホーム支援事業について伺います。

 本区は、平成30年に重度肢体不自由児者通所施設「すみだ晴山苑クルン、キララ」を、平成31年に障害者通所施設、就労継続支援B型の「喜楽里すみだ工房」を開設するなど、積極的に障害福祉施策の推進を図ってきたことは、高く評価をしています。重度障害者グループホーム支援事業についても、確実に前進させることを期待し、区長の見解をお聞きいたします。

 来年度、前期墨田区基本計画の最終年を迎えます。重度障害者グループホームの前期計画期間内での実現は可能なのか、今後どのように進めていかれるおつもりか伺います。

 

◆山本亨区長 答弁

 

 ただいまの前期墨田区基本計画の主要な公共施設等の整備に関するご質問に順次お答えいたします。

 まず、総合運動場についてです。

 区内関係団体の利用意向として、学校からは、運動会や部活動、駅伝大会の練習等での利用、体育協会からは、区民体育大会・区民体育祭をはじめ、合宿も含めた少年サッカー大会等での利用、町会や消防署からは、防災訓練等で利用したいとの申出を受けています。また、ラグビーの練習場や陸上競技教室のイベント会場としての利用の相談もあります。

 稼働率向上に向けた取組としては、区内企業を訪問し、商業的な利用も含めて総合運動場の活用について働きかけを行ったところです。区外の高校や大学等への働きかけについては、今後、指定管理者と連携をしながら進めていくとともに、引き続き広く周知・PRを図っていきます。

 なお、夏場の熱中症対策は重要な課題であると認識していますので、芝生席等にテントを設置することや、スタンドにはミスト冷風機等の備品による対応を検討していきます。

 次に、新保健センター整備事業についてです。

 まず、医師会や歯科医師会等との連携です。

 平成29年度に策定した、墨田区新保健センター等複合施設整備基本計画では、新施設に休日応急診療所、ひかり歯科相談室、薬剤管理センターを設置することとしています。これまで、三師会と連携して検討を行ってきており、要求水準書にご意見等を反映させていただきました。

 今後、施設の運用についても、さらに検討すべき課題があることから、三師会と十分に意見交換を行いながら、区民の健康づくりの拠点としての体制を確立していきます。

 次に、施設内の複合化に関する構想についてです。

 新保健施設のコンセプトとしては、「生涯健康都市を実現するために、人と人、情報、安全をつなぐ・つながる」としているほか、機能連携イメージとして、「保健所を核として、子育て支援・福祉・教育が連携した、各機能の有機的な連携」を図ることとしています。また、整備基本計画の策定過程において、区民・有識者懇談会や関係者へのインタビューを実施するなど、意見の集約に努めてきました。

 この計画のもと、設計・施工一括発注を行うための要求水準書をまとめ、今年度、事業者選定に向けたプロポーザルを行い、優先交渉権者の選定を終えたところです。引き続き、区議会や専門家、三師会をはじめ、関係者の意見等を聴きながら、基本設計を進めていきます。

 次に、重度障害者グループホーム支援事業についてです。

 区では、基本計画で2カ所の重度障害者グループホームの整備を計画しています。重度知的障害者グループホームについては、運営事業者の選定を経て、令和3年3月の開設に向けて着々と準備を進めています。重度身体障害者グループホームについては、医療的ケアを念頭に、必要なスペースの確保など、条件を整理した上で候補地を検討しているところです。

 また、利用者が安心して暮らせるよう、肢体不自由児者父母の会の皆さんと情報交換を行いながら検討を進めています。

 これらを踏まえ、グループホームの開設については、基本計画に基づき、早期の開設に向け関係者一人ひとりの声を丁寧に聴き取り、継続して整備を支援していきます。

 

※しもむら緑 再質問

 

 総合運動場の部分について再質問をいたします。

 観覧場の約400席に屋根が付いておらず、対策を講じるべきであるとお伝えいたしました。ミストでは、そもそも席には座れません。屋根の設置は、技術的に検討できるか、できないかということで質問をさせていただいております。その点について再質問いたします。よろしくお願いいたします。


 

※山本亨区長 再質問答弁

 

ただいまのしもむら議員の再質問にお答えいたします。

 屋根の設置につきましては、現在、総合運動場が整備がされてきている中で、構造上、今から屋根を付けるということはなかなか難しいと考えており、まずは、先ほど申し上げたような、備品等についての暑さ対策を講じた上で、今後、また対応していきたいと考えているところです。

 

◆しもむら緑 質問

 

次に、危機管理体制構築について伺います。

 1点目は、平成29年の第2回定例会一般質問でも行った墨田区国民保護計画に関連して、改めて問います。

 本日、北朝鮮が飛翔体2発を発射したとの報道が入ってきましたが、今年10回目となります。防衛省の調べにより、過去3年の推移を見ると、今年を除く平成28年以降の弾道ミサイル等の発射回数は34回、そのうち3回が日本の上空を通過しているという異常事態が発生しています。恒久平和を希求する我が国において、このような行為は断じて許されるものではありません。昨今の情勢を踏まえ、今一度具体的な対応について検討する必要があるのではないでしょうか。現在、J-ALERT全国一斉情報伝達訓練が定期的に行われておりますが、区民の皆さんへ適切な方法で周知がなされ、実施されているようには見受けられません。改善策を含め、どのように対策を講じるつもりか伺います。

 弾道ミサイル落下時前の行動については、地下施設への避難の指示がなされていますが、公共施設ほか、避難可能な民間施設を洗い出し、非常事態が起きた際には昼夜問わず協力していただけるよう、協定を結んでおく必要がある旨の指摘をしましたが、現状を伺います。

 併せて、平成20年以来一度も見直しが行われていない避難実施要領についても、どのようにその後精査されたか伺います。

 2点目は、震災対策について伺います。

 東京都では、今後30年以内にマグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で発生することが予想されています。人的・物的・経済面などを含め、あらゆる甚大な被害が想定されており、万全の備えが急がれるところであります。現状として、東京都の地震に関する地域危険度測定調査を受け、区内の一部事業者はBCPの観点から、区外に移転するという事例も報告されています。ものづくりのまちとして栄えてきた本区では、さまざまな課題がありますが、震災後に再び区内で事業を開始できるかも大きなポイントです。災害後も事業が継続できるよう、物理的な事業環境や事業者の視点からの復興計画等のビジョンを明確にし、区民への安心提供と、それらを分かりやすく開示していただくことを望みます。区長の所見を伺います。

 また、平成16年から改訂が行われていない「墨田区災害復興マニュアル」においても、10年以上が経過していることから、改訂を望みます。

 3点目は、水害対策について伺います。

 河川に挟まれた本区においては、都市型水害と広域型の大規模水害の両面から対策を考えていかなくてはなりません。どちらも、毎年国内において甚大な被害がもたらされています。

 先般、足立区が、気象庁ОBや大学教授らでつくるNPO法人環境防災総合政策研究機構から、全国で初めて気象防災情報を直接提供してもらう仕組みをスタートさせました。更には、水害リスクを分かりやすく公開する動画の配信や、国土交通省が作成したCG映像を活用しての水害時の身の守り方、洪水ハザードマップについての理解、備えについて区民に促す仕組みを構築しました。このことについて、同様の課題を持つ本区はどのように捉えているのか伺います。

 水害対策は、災害別の避難行動の周知を行っていくことが大変重要になります。区民一人ひとりが危機意識を持ち、防災力を高めていくことが必須です。

 都市型水害については、主に垂直避難が求められます。品川区では、東京都と連携して浸水対策事業が行われています。北区では、雨水を地中に浸透させるため、個人が所有する住宅を対象に雨水浸透施設設置工事費用の一部助成や止水板助成の制度を行っています。止水板助成は、工場の浸水防止にも一役買っています。墨田区としては、そういった対策は行われていませんが、このような取組も必要ではないでしょうか。区長に伺います。

 また、水害時における一時避難施設の利用に関する協定締結件数の増加に努め、マンション管理組合等に投げ掛けが進められています。この進捗状況を伺います。

 加えて、災害対策の観点から、北部地域において、地域的なまちづくりの動向も見つつ、防災対策の観点から容積率の緩和も検討できるのではないかと考えますが、区長の今後のソフト面、ハード面からの都市型水害対策の所見を伺います。

 広域型の大規模水害については、必ず広域避難を行わなければなりません。自治体としても、避難の確保に向け、他自治体との協定を締結していく必要があります。現在の進捗状況を伺います。

 大規模水害時には庁舎の機能が喪失するおそれがあるため、江東5区以外での代替機能施設も求められると考えます。年度内の改訂が進められている行政のBCP水害編に向けても進捗状況を伺います。

 この質問の最後の4点目は、避難行動要支援者名簿の運用について伺います。

 東日本大震災では、多くの高齢者、障害者の方々が犠牲となりました。その教訓を踏まえ、平成25年に災害対策基本法が改正され、市町村による避難行動支援者名簿の作成、名簿情報の避難支援等関係者への提供等の規定が設けられ、平成26年4月に施行されました。しかしながら、依然として運用方法には課題が残り、災害時に支援を必要とする方々が多数犠牲となるケースが後を絶ちません。昨年、西日本豪雨で被害のあった広島県安芸高田市は、名簿を作成はしていたものの、民生委員や自主防災組織に渡せておらず、豪雨後、掲載に同意した人の名簿の提供を始めました。個人情報の管理については、しっかりと取り決めをしなくてはなりませんが、公助には限界があり、自助、共助の力が必要不可欠です。

 これらの教訓を生かし、現在進められている要配慮者避難支援プラン見直しの中で、住民防災組織の強化と避難行動要支援者名簿が生きるような取扱いの検討を進めていただきたいと思います。区長の所見を伺います。

 

◆山本亨区長 答弁

 

 ただいまの危機管理体制の構築に関するご質問に順次お答えします。

 最初は、墨田区国民保護計画に関してです。

 まず、J-ALERT全国一斉情報伝達訓練が適切な周知の上実施されているかについてですが、区報をはじめ、安全安心メール、ホームページ、区公式ツイッターなどの媒体の活用、各町会・自治会長、区立の小・中学校、幼稚園、保育園への通知等により周知しています。今後は、ホームページ等の記載内容を改善するほか、メールやSNSの発信の時期等を工夫することにより、さらに区民の方へ情報を分かりやすくお伝えできるように努めていきます。

 次に、非常事態が起きた際に備えての民間施設との協定についてです。

 平成29年第2回定例会でのご指摘に対し、「大規模集客施設との自然災害時における協定締結の際に併せて協力依頼を検討する」と答弁しましたが、その後、大規模集客施設自体が新たに建設されていないため、協定についても締結していない状況です。しかし、ご案内のように、非常時の避難先としての民間施設との協定は重要なため、引き続き取組を進めていきます。

 次に、避難実施要領については、オリンピック・パラリンピック対策を念頭に置き、令和2年3月までに改定を行う予定です。

 次に、震災対策についてです。

 まず、区内事業者の視点からの復興計画等のビジョンの明確化等についてです。災害後の事業継続への支援としては、東京都中小企業振興公社や東京商工会議所により、さまざまなBCP策定支援策が進められており、すみだビジネスサポートセンターでも、積極的に案内をしています。大規模災害後における事業者の事業継続は大変重要であると認識しています。現在、地域防災計画で復興の基本理念等を定めていますが、迅速に事業者の事業継続を含めた復興計画を策定できるよう、区民、事業者等と連携を密にし、事業環境の確保に向けた支援のあり方を検討していきます。

 なお、墨田区災害復興マニュアルの改訂については、現在、都において、「東京都震災復興マニュアル」の改訂作業が進められており、その内容等を踏まえ、本区のマニュアル改訂に向けて検討します。

 次に、水害対策についてです。

 まず、足立区の取組に関する捉え方です。気象防災情報については、気象庁や民間気象事業者から、区に特化した情報を直接収集する仕組みを活用しており、今後も水害対策に資する、確度の高い情報収集に努めます。また、意識啓発や周知については、地域防災活動拠点会議や防災講話、各種イベント等の場で進めていくとともに、他自治体の事例も参考としながら、SNSなどのさまざまなツールを活用した情報発信を強化していきます。

 なお、今月29日に実施する総合防災訓練において、VRやARを活用した水害啓発ブースを設置する予定です。

 次に、都市型水害対策についてです。

 まず、ご提案の止水板助成は、「大規模な水害時における一時避難施設の利用に関する協定」を締結した集合住宅に対する資器材交付のメニューで対応していますので、この制度の周知に努めていきます。

 なお、これまでの協定締結件数は13件ですが、今後も庁内関係部署が連携して、マンション管理組合等への更なる周知に努めていきます。

 次に、垂直避難への効果を期待した容積率の緩和についてです。

 容積率は、都市計画で用途地域ごとに区域のさまざまな特性を考慮して定められたものであり、水害対策の視点のみでの緩和は難しいですが、地域のまちづくりの動向により、地区計画のような都市開発諸制度の活用を図ることができれば、緩和も可能であると考えます。都市型水害対策の重要性は十分認識していますので、今後もソフト・ハード両面での施策を推進していきます。

 次に、大規模水害に係る広域避難についてです。

 まず、荒川氾濫等による大規模水害時については、首都圏における大規模水害広域避難検討会において、避難場所確保に向けたシミュレーション等を進めています。また、既に本区は、複数の自治体と被災者収容施設の提供等に係る防災相互援助協定を締結していますが、友好都市等との更なる連携も視野に入れながら、広域避難の実効性向上に向けた検討を進めます。

 次に、BCP改訂作業の進捗状況ですが、風水害への対応も含めて、今年度内の改訂に向けて、課題抽出等の作業を進めており、この中で、本庁舎が使用できなくなった場合の代替機能も検討します。

 次に、避難行動要支援者名簿の運用についてです。

 現在、要配慮者支援の実効性向上や、住民防災組織等による共助の更なる支援を図るため、「要配慮者避難支援プラン」の見直しに着手しています。このプランの見直しに併せて、個人情報保護の観点に留意しながら、名簿の効果的な運用についても検討し、実効性の高い制度の構築を図ります。

 

◆しもむら緑 質問

 

 次に、大規模なデモへの対策について伺います。

 直近では減少傾向にあるようですが、近年、特定の国籍や人種、民族などへの憎しみをあおる差別的な表現を行うデモ、いわゆるヘイトスピーチのデモや、それに反対するデモが東京都内で頻発しています。公益財団法人人権教育啓発推進センターによる、ヘイトスピーチに関する実態調査報告書によれば、都区内では参加者が100人を超えるデモが過半であり、一定の規模で行われているようです。

 また、SNS上に多数投稿されている動画を見ると、これらのデモは、往々にして大きな音量で行われたり、一般的には受け入れがたい過激な表現を使用したりしています。このようなデモが頻発することは、近隣の住民や商店にとっては生活環境に著しく悪影響を及ぼしていると言わざるを得ず、頻繁にデモが行われている自治体には、交通規制や音量などに対して数多くの苦情が寄せられてきました。

 この状況を受けて、昨年、新宿区では、区立公園の使用に関する基準を見直し、デモの出発地とできる公園を4カ所から1カ所に減らす措置を講じました。また、渋谷区では、デモの解散地として使用できる公園を1カ所に限定し、参加者を300人以内としています。その他、江東区など、公園の管理上支障のある場合は許可できない旨をホームページに記載している自治体も多数あります。デモでの使用を一切排除したり、事前に内容を審査したりして可否を判断するなど表現の自由を侵害するわけではなく、区民の静ひつな生活環境の確保や、他の公園利用者への配慮といった観点から対応を進めている区が増加しています。

 そのような中、近日中に錦糸公園を出発地としてヘイトスピーチのデモや、それに反対するデモが行われる予定があると仄聞しております。本区においては、過去に例がなく、デモでの使用についての対応がされていないために選定されたものと推測されます。今後、区立公園などを出発地や解散地とした大規模なデモ等が恒常的に行われ、騒音といった苦情が近隣住民から多く寄せられるような場合は、墨田区としても対策が必要となってくるであろうと考えます。区長の所見を伺います。

 また、その場合、墨田区立公園条例で定める、管理上必要な場合として対応できるのかも伺います。

 

◆山本亨区長 答弁

 

ただいまの大規模なデモへの対策についてお答えします。

 区では、公園内での占用については、管理上の支障の有無等を確認した上で、その可否を判断しています。ご指摘のデモについては、団体から、公園を一時的な集合場所として利用する旨の連絡がありました。これは、公園での集会には該当しないため、公園占用の許可の対象ではありませんが、団体には、公園条例等の規定を遵守するよう指導しています。

 今後、大規模なデモ等が恒常的に行われ、騒音等により近隣住民から苦情が多く寄せられた場合には、団体等に対して個別の対応を行うほか、公園の適正な利用について注意喚起を改めて行うなどの対策を図っていきます。

 墨田区立公園条例の管理上の行為の制限の適用については、憲法に定める表現の自由や国民の自由と権利を不当に侵害しないという観点から、具体的な案件ごとに、公園管理者として総合的に判断します。

 

◆しもむら緑 質問

 

 次に、東京2020オリンピック・パラリンピックの開催に関連した質問を4点伺います。

 1点目は、今月から開幕するラグビーワールドカップ2019の墨田区におけるパブリックビューイングについて伺います。

 スカイツリータウンスカイアリーナにて、20日から22日まで開催され、子どもから大人まで楽しめるイベントとうたわれていますが、具体的にどのような内容に決定したのでしょうか。「4年に一度じゃない、一生に一度だ」というキャッチフレーズのもと、アジア初の日本ラグビーワールドカップを大いに盛り上げ、是非1年を切った東京2020大会へつなげていっていただくよう、要望します。

 2点目は、墨田区でのボクシング競技実施が決定したことについて伺います。

 紆余曲折を経て、このほど正式に両国国技館でのボクシング競技実施が決定しました。そのことにより、練習会場となる墨田区総合体育館が、令和2年7月1日から8月17日まで、一部使用できなくなりますが、区民の皆様への周知や代替施設への誘導、区の影響などは現状どのようになっているか、お聞かせください。

 また、競技開催が決定したことを受けて、ボクシングの関東大会等も墨田区総合体育館で開催される予定があると仄聞しております。経済的な相乗効果についてもお伺いします。

 3点目は、東京2020大会時の熱中症対策等について伺います。

 大会当日は、今から酷暑が予想されています。墨田区では、両国国技館から両国駅までの間、ラストマイルの考え方にのっとり、これから東京都などと話し合いが進められていくとのことですが、なるべく早く運営方針を出していただき、区の意向も吸い上げられるような対策に努めていただくよう望みます。現段階で、医療従事者との連携、ミストシャワーやAEDの設置など、区としての何か考えはお持ちか、伺います。

 また、そのほかにも、感染症対策やテロ対策といった安全面にも万全を期していただくようお願いします。

 4点目は、区立小学校で行われている東京2020大会の一環の「世界ともだちプロジェクト」について、教育長に伺います。

 各学校で割り当てられたオリンピック出場国の調べる学習を現在行っていますが、進捗状況と、それが長野オリンピックの際の一校一国運動のように、大会後どのようにレガシーとなることを期待されているのか、狙いを伺います。

 また、それぞれの国について児童が学ぶ際、是非墨田区との共通点を洗い出し、同時に郷土も学ぶ学習に結び付けていっていただくことを要望します。教育長の所見を伺います。

 

◆山本亨区長 答弁

 

 ただいまの東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会関連について、順次お答えします。

 まず、ラグビーワールドカップ2019のパブリックビューイングの具体的な内容です。

 今月20日の夜は、開会式や日本対ロシア戦を中継するほか、MCによる基本のルールや見どころを分かりやすく解説するトークショーを実施します。21、22日は、3試合ずつ競技中継を行うとともに、墨田区ラグビーフットボール協会の協力のもと、ラグビー体験会を開催します。また、東京スカイツリーもライトアップする予定で調整を行っているところです。さらに、パブリックビューイングのエリア外では、東京2020大会のPRブースも出展する予定です。この取組を通して、ラグビーワールドカップを盛り上げ、翌年に開催される東京2020大会の気運醸成につなげていきたいと考えています。

 次に、ボクシング競技の実施が決定したことについてです。

 初めに、総合体育館が練習会場になることについてですが、9月1日号の区のお知らせに掲載したほか、館内掲示やホームページ等で広く周知を図っています。また、公式試合で利用している団体等には、個別に情報提供し、調整を図っています。代替施設については、必要に応じて、他のスポーツ施設を案内していく予定です。区への影響としては、貸出期間中は、利用料金収入が減少し、その補償を行うなどがありますが、総合体育館はPFI事業であることから、興行収入分については、東京都又は組織委員会が負担する方向で協議を進めているところです。

 次に、ボクシングの大会については、日本ボクシング連盟が、本年12月26日に総合体育館で全日本大学ボクシング王座決定戦をはじめ、小学生から大学生まで、多くの選手が出場する大会を開催する予定です。

 また、来年6月上旬に、関東高等学校ボクシング大会を開催したい旨の打診を受けています。選手や学校関係者など多くの関係者が来場することとなり、近隣の飲食店や宿泊施設などの利用が見込まれることから、経済的な効果も期待しているところです。今後も、日本ボクシング連盟に働きかけ、区内でできる限り多くの大会を開催していただき、ボクシングの機運を高めるだけではなく、地域の活性化にもつなげていきたいと考えています。

 次に、大会開催時の熱中症対策等についてです。

 競技会場の国技館と両国駅の間のエリア、いわゆるラストマイルには、暑さ対策のほか、医療対応などさまざまな課題があり、都が主体となって各自治体と調整を図りながら取り組むこととしています。今後、大会を安全に運営するため、庁内関係部署が連携を図り、ミストシャワーやAEDの設置など必要な取組について、都に意見を述べていきます。感染症や治安、災害対策なども都と連携して検討を進めていきます。

 また、区は、11月に墨田区医師会と協力して、区独自ボランティアや一般区民向けに感染症予防や応急救護に関する実践的な研修会を開催する予定です。

 以上で、自由民主党、しもむら議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。

 

◆加藤裕之教育長 答弁

 

自由民主党、しもむら議員のご質問に順次お答えします。

 世界ともだちプロジェクトについてです。

 まず、進捗状況については、これまでに、総合的な学習の時間における調べ学習やその発表、大使館員や留学生による講演会、給食における各国の料理の紹介、大使館主催の絵画コンテストへの参加など、各校で工夫した取組が行われております。

 次に、大会後のレガシーの期待については、この取組を通して、児童・生徒に他国の文化等に対する興味関心が高まり、進んで他国の人々と交流を図ろうとする意識や、国際化社会での必要な国際感覚の醸成に結び付くと考えております。

 最後に、郷土を学ぶ学習との結び付きについてですが、他国の文化や風土等について学習する際には、我が国との違いを知るとともに、共通点を見出すことも重要な視点であり、郷土の特徴やよさなどについて目を向ける機会になると考えます。これらの学習を計画的に結び付けることで、各学校の取組がより充実するようにしていきます。

 

◆しもむら緑 質問

 

最後に、教育施策について伺います。

 1点目は、新JIS規格の机への対応について伺います。

 平成11年に学校机の号数区分の見直しが行われ、天板面積が大きい新JIS規格と呼ばれる規格に更新されました。教科書やノートなども、国際規格であるA判に移り変わっていったこともあり、全国的にも新JIS規格の机が広がりを見せる中、墨田区では1校も導入に至っていません。平成26年に学習机選定委員会が開催されましたが、大きな机は、旧設計の教室に収容できなくなるとの評価で、採用には至りませんでした。しかしながら、新設校は旧設計ではありません。物を大切にするということは大事ですが、新設のタイミング等に併せて、今後新JIS規格へ移行も可能であると考えます。教育長に所見を伺います。

 2点目は、外国人児童・生徒等の対応について伺います。

 文部科学省の調べによると、公立学校に在籍する日本語指導が必要な外国人児童・生徒等は10年間で1.7倍に増加しています。日本の義務教育においては、外国籍の子どもの保護者にその子どもを就学させる義務はありませんが、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、日本人児童・生徒と同様に、教科書の無償配布及び就学援助を含め、教育を受ける機会が保障されています。

 また、近年では、日本国籍を有しながら、日本語が話せない子どもたちへの対策も課題となっています。墨田区においても、年々増加傾向にあります。これらの児童・生徒が、日本における生活の基礎を身に付け、その能力を伸ばすとともに、共生社会を実現させていくために、学校において日本語指導も含めたきめ細やかな指導を行うなど、適切な教育の機会が確保されることが必要です。

 例えば、豊橋市では、日本語指導ほか、バイリンガル相談員を配置し、母語による生活支援を行っています。港区では、日本語学級のほか、英語能力を有する外国籍の児童に対する国際学級を開設しています。墨田区でも、日本語指導が行われていますが、増え続ける外国人児童・生徒等の対応について今後どのような展望を持たれているか、教育長に伺います。

 以上で代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

 

◆加藤裕之教育長 答弁

 

ただいまの教育施策に関するご質問に順次お答えします。

 まず、新JIS規格の机の対応についてです。

 現在、区立学校で使用する机より、天板面積が縦横5センチメートルずつ大きい新JIS規格の机の導入により、児童・生徒の学習環境の改善につながると考えます。そこで、新JIS規格の机の配置ができる教室面積を持つ学校において、現在の机が十分に使える間は、引き続きこれを使っていきますが、更新時期を捉えて、新JIS規格の机に計画的に切り換えていくことを、関係部局と連携しながら検討していきます。

 最後に、増え続ける外国人児童・生徒等の対応の展望についてです。

 現在、日本語指導が必要な児童・生徒に対し、すみだ国際学習センターでの通級指導のほか、小学校2校、中学校1校への教員の加配、小学校1校での日本語教室の設置等により、日本語の理解や活用に向けた指導を行っています。また、必要に応じ、授業への通訳を派遣しています。さらに、通常学級においても、児童一人ひとりの習得に応じた指導をしています。

 今後の展望ですが、増え続ける外国人児童・生徒に対して、適切な教育機会を提供していけるよう、日本語指導や多言語の通訳を行う人材の確保、個別指導や学級での集団指導の指導力向上に向けた、教員研修の充実などを行っていきます。そして、全ての児童・生徒が互いの文化を認め合い、コミュニケーションを深めていく異文化理解や多文化共生の考えに基づく教育を進めていきます。

 以上で、自由民主党、しもむら議員のご質問に対する答弁を終わります。