平成31年第1回定例会

平成31年第1回定例会一般質問

 

◆しもむら緑 質問

 

墨田区議会自民党のしもむら緑でございます。通告してあります大要2点につき、山本区長及び加藤教育長に質問いたします。明確で前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。

 大要1点目は、舟運の活用について伺います。

 2020年に向けて、現在、北十間川・隅田公園観光回遊路や両国リバーセンタープロジェクトの整備が進められています。水辺を活用した新たなにぎわい創出の拠点として、期待に胸が膨らむところでありますが、より多くの集客を見込むために、墨田区としては、事前に動線計画を立てサポートすることが必要であると考えています。今回は舟運の活用に特化して、山本区長に質問いたします。

 台東区の浅草から吾妻橋を渡って墨田区へ観光に訪れた方々が、東京スカイツリーだけではなく、相撲観戦やすみだ北斎美術館などにも足を運んでみたいと思った際、交通の利便性が非常に悪いことが現状の課題として挙げられます。それは両国エリアから見たときにも同じことが言えます。東京五輪では、両国国技館でボクシング競技の開催が予定されていますし、その近くには1,000名規模の観光客が宿泊できるホテルの建設も予定されています。今後、より多くの方に区内周遊を楽しんでいただくために、動線を考えていくことが大変重要です。

 そこで区長に伺います。

 今回、北十間川・隅田公園観光回遊路整備事業の中で、(仮称)小梅橋船着場が整備されることを受け、両国リバーセンタープロジェクトに係る船着き場もうまく活用し、観光振興の充実や二次交通としての利便性を図るという観点から、船舶の定期便の推進を検討いただけないでしょうか。

 加えて、防災の観点からは、定期航路事業者との災害時の協力協定も要望いたします。大規模災害時においての船舶の活用については、阪神淡路大震災や東日本大震災にて、物資輸送等、極めて重要な役割を果たしたことが、国土交通省の「大規模災害時の船舶の活用等に関する調査検討会」などでも報告されています。その中で問題として挙げられていたのが、活用可能な船舶の確保でした。船舶の活用を実施する必要があっても、どこに船があり、どこに連絡すればよいのか分からなかったという反省があるとの指摘もなされていました。

 墨田区は、現在、東京都の水辺ラインと災害時の協力協定を結んでいますが、有事の際、本区を優先的に支援してくれる船舶事業者との災害時の協力協定は結ばれていません。選択肢は多いにこしたことがありません。早急に締結すべきと考えます。

 併せて、大規模災害時にすぐ動けるように、区内の係留場所提供についても考慮していただきたいと思います。区長の所見を伺います。

 定期船の実現に向けては、桟橋使用料や管理料が課題になってこようかと思いますし、災害時に備えた船舶の係留場所についてもクリアしなければならない課題があろうかと思います。所管もまたがりますが、是非できない理由ではなく、できる理由を考えて動いていただけるようお願いいたします。

 大要2点目は、性教育について伺います。

 先般、東京都教育委員会が専門医の視点も踏まえ、教育現場での適切な性教育を進めるため、小・中・高校向けの教師用「性教育の手引」を今年度中に改定する方針を示しました。具体的な内容はまだ明らかとなっていませんが、10代の望まない妊娠や性感染症などが問題となっている中、自分の体を守る具体的な方法や命の大切さを学ぶ大切な機会であると捉えています。

 望まない妊娠は中絶につながりやすく、意図せぬ出産は新生児の遺棄や児童虐待、貧困につながるケースもあります。そのような事態を招かないために、義務教育課程の保健体育の教科書には「避妊」の言葉はありませんが、しっかりと知識は伝える責務があると思っています。

 性感染症については、1980年代にエイズが社会問題化しましたが、それに加え、厚生労働省から報告されている若者に広がりを見せているクラミジア感染症、近年急増している梅毒などの状況を鑑みると、予防教育にも力を入れていく必要があります。

 性感染症の怖さは、その多くは症状に乏しく本人が気づきにくいため、結果、感染が広がってしまうという点です。感染から時間が経過すると、さまざまな疾患を引き起こし、時には次世代まで重大な疾患を引き起こす可能性があること、将来不妊症などにもつながり、女性に圧倒的に不利になることなどを伝えることが大事なポイントであろうかと思います。

 日本は恥じらいというような意識がまだまだあり、海外と比較すると、なかなか大きな声を上げて危機感を持って性教育の取組をやっていこうという方向にはなりにくいのかもしれません。しかし、大変重要なことです。14歳以下の望まない妊娠や15歳から一気に性感染症の感染率が上がることを考慮すれば、小学生の時期から保護者の理解も当然得ながら、子どもの発達段階に応じて継続して伝えていく必要があろうかと思います。

 今回の手引の改訂の動きを受け、改めて教育現場における性教育の進め方と墨田区の考え方について、加藤教育長の見解を伺います。

 他自治体の事例を紹介しますと、埼玉県富士見市立水谷中学校では、平成21年から3年間を通した年間計画を立て、性に関する特別活動指導「命の授業」を保護者の協力も仰ぎ、助産師による出前授業なども交えながら実施しています。秋田県では、秋田県医師会と連携した中学校・高校を対象とした性教育講座を実施し、望まない妊娠の減少など、一定の成果を上げています。宮城県仙台市立松島小学校では、年に1回「育ちゆく体とわたし」の単元に沿った形で、小学4年生児童と保護者を対象に管理校医でもある医師が命の大切さを伝える性教育を実施しています。

 ネット普及などにより、さまざまな性情報が氾濫する中で、性感染症や性に関する正しい知識を身に付け、正しい行動を選択するためには、このように医師や助産師との連携も非常に有効であると考えます。

 墨田区でも是非こういった専門家との取組を実施していただきたいと考えますが、加藤教育長の見解を伺います。

 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 

◆山本亨区長 答弁 

 

ただいまの、自由民主党、しもむら議員の舟運の活用についてのご質問にお答えします。

 水辺のにぎわい創出や二次交通手段として、舟運の活用は重要であると認識しています。このためには舟運事業者が参入しやすい環境にすることが不可欠であり、特に、船着場の設備や管理のあり方等について、検討・調整する必要があります。

 小梅橋の船着場や両国船着場については、舟運活性化連絡会を通して、定期便に必要な船着場の設備や発着に掛かる費用の軽減、管理方法について検討し、事業者と調整の上、定期便の運航に参入しやすい環境を整備していきます。

 次に、定期航路事業者との災害時協力協定についてです。

 隅田川や荒川に囲まれ、内部河川も多く抱える本区として、災害時の物資輸送や帰宅困難者等の搬送手段として、舟運の活用は有効であると考えます。

 現在、東京都公園協会と災害時の水上バス等の利用を含む「墨田区船着場等の利用に関する協定」を締結していますが、そのほかの船舶事業者とも協定を締結する意義はあると認識しています。協定締結先が保有する船舶の規格や数、船舶の優先確保、陸路との比較による搬送時間等、効果的な活用のための課題を検討し、これらの事業者との協定締結について対応していきます。

 最後に、区内の係留場所の提供についてですが、これまで河川の安全対策や係留船舶の適正化に取り組んできた経緯があり、いまだ東京都における不法係留船対策が完了していないなどの課題があることから、現時点においては、船舶事業者用の係留施設を提供することは困難ですが、都にその可能性を確認していきます。

 以上で、自由民主党、しもむら議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。

◆加藤裕之教育長 答弁

 

自由民主党、しもむら議員のご質問にお答えします。

 まず、性教育の進め方と区教育委員会としての考え方についてです。

 学校における性教育は、児童・生徒の健全な心と体の成長を促すため、保健体育分野を中心としてさまざまな場面を活用して行われるべき重要な教育であると認識しております。

 学校教育では、児童・生徒の発達段階に応じ、学習指導要領に定めた内容を確実に指導することが重要です。現行学習指導要領、新学習指導要領ともに、小学校段階では理科や保健の分野で、人の誕生や思春期における体の変化、中学校段階では保健分野で受精、妊娠を取り扱いますが、妊娠の経過は取り扱わないものとされており、避妊についての記述はありません。

 ただし、現状の性教育においても、小学校では生命誕生の尊さや思春期の心の変化、異性を理解し尊重することなどを学び、中学校では感染症の予防の学習の中で、エイズ及び性感染症についての概念や感染経路、効果的な予防方法について学ぶこととされていますので、自分の体を守る方法や生命の大切さについて、発達段階に応じて適切に指導されていると考えます。

 今後の性教育の進め方については、現段階では東京都教育委員会の「性教育の手引」の改訂内容については明らかではありませんが、児童・生徒の実態や状況の変化など、学習指導要領が定める範囲を超える指導を行う必要が生じることも考えられますので、その場合には、保護者の十分な理解と了解を得た上で指導を行うとともに、今後改訂される東京都教育委員会の「性教育の手引」の方針や掲載される指導例なども参考に、性教育を進めてまいります。

 次に、性教育における専門家との連携についてです。

 児童・生徒がインターネット等で性に関わる不適切な情報に触れる可能性が高くなっており、SNS等を介した性に関わる事件や未成年者の被害も社会問題となっております。このため、学校では、安全指導やインターネット利用やネットモラル等に関わる学習の中で、犯罪被害防止や情報選択について、警察や電話会社等の外部専門家からの協力も得ながら指導を行っています。

 また、性教育の指導において、医師や助産師等を活用するご提案についても、児童・生徒の学習効果を高めるために有効であると考えますので、議員からご紹介のあった先行事例等も参考として、情報を収集し、医師や助産師等の活用の有効性や成果とともに、人材情報を学校へ情報提供をしていきたいと考えております。

 以上で、自由民主党、しもむら議員のご質問に対する答弁を終わります。