平成27年第3回定例会  ​

平成27年第3回定例会代表質問

 

◆しもむら緑  質問

 

 墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。

 会派を代表いたしまして、通告してあります大要4点につき、山本区長の明確で前向きなご答弁をお願いいたします。

 大要1点目は、区政の重要課題である大学誘致とすみだ北斎美術館について質問いたします。

 まず、大学誘致について伺います。

 山崎昇前区長が、平成27年度予算特別委員会において、任期16年の中でやり残した一番の仕事として大学誘致を挙げられたことは記憶に新しいことと思います。今後の大学誘致の推進については、地元の皆様、改選後の新議会の意向も踏まえて見極めることとしたいとの考えを示し、引退されました。その後、バトンを引き継いだ山本新区長は、「引き続き旧曳舟中学校・西吾嬬小学校跡地に4年制総合大学を推進していく」との旨、先般の所信表明で明らかにされました。

 文部科学省から発表されている大学誘致がもたらす経済効果の分析によれば、地域経済の活性化に大きな役割を果たすとされています。墨田区の教育・文化や学術面での効果も大いに期待できます。ましてや23区で唯一大学がない墨田区にとって、大学誘致は悲願であると自民党としても認識しておりますし、地元住民の皆様からも心待ちにする声が多く聞かれていることも事実であります。

 当時企画経営室長だった高野副区長は、平成27年度予算特別委員会において、「これまで取り組んできた大学誘致については、何よりもまず、この3月あるいは4月で一度、これまでの取組について一定の評価、総括をした上で、今後の進め方について一定の考え方をお示しして皆さんの判断に委ねたい」と答弁されています。しかしながら、いまだ進捗状況が議会に報告されておりません。

 それらを踏まえ、山本区長に伺います。現在の進捗状況はどうなっているのでしょうか。いまだ議会に対し何ら報告がないということは、前進が見られないと推測されますが、であるならば、なおさら高野副区長が述べられたとおり、これまでの取組について一定の評価、総括、今後の進め方について方向性を示していただく必要性があろうかと思います。そちらも併せて伺います。

 自民党といたしましては、引き続き支持する意向でありますが、例えば議会との情報共有の視点から、今期中までといった期日をしっかり設けていただきたいと要望いたします。また、遅々として進まぬ状況に対し、地元の皆様との協議の必要性及び従来の総合大学として進めていくのか、若しくは単科大学等も視野に入れ進めていくのか、一度ゼロベースで仕切り直すことも大切だろうと思っています。また、総合大学を継続する考えであれば、隣接するすみだ中小企業センター、旧文花小学校跡地、あずま百樹園までを含め計画を進めていくことが重要だと指摘します。「この学校跡地が空いたからこの場所に来てください」というのは墨田区の自己都合であり、大学側の立場に立ったならば、もっと広い土地に建設したいと思うのは当然だからです。区長の考えを伺います。

 また、高度制限についても、大学が誘致されたら緩和をするというのではなく、その前に緩和を図り交渉に臨むのが筋ではないかと考えます。いずれにしても、新区長のトップセールスにかかっていることは間違いありません。併せて区長の考えを伺います。

 大学誘致の質問の最後に、推進状況に関わらず、跡地の対応についてどのようにお考えなのか伺います。旧曳舟中学校・西吾嬬小学校跡地をいつまでも廃校のまま置いておくのは、公有財産の活用という視点のみならず、防災面、防犯面から見ても非常に問題であると思います。ある程度の方向性が示された時点で更地にし、活用することが望ましいと考えますが、区長の所見を問います。

 続きまして、すみだ北斎美術館について伺います。

 平成26年度墨田区一般会計予算に関する付帯決議において、年間運営費は1億円という指標を遵守するよう求めたとともに、さらにこれらを踏まえ、運営に当たってはこの運営費及び年間維持費を入館料収入や寄付金で集めることとし、区費負担の大幅な軽減を行うことを求めました。

 年間入場者数の推計はいまだ極めて漠たるものとなっていますが、現段階の観覧者予想数と、それを加味した上での年間運営費の想定はいかがでしょうか。自民党といたしましては、たとえ指定管理料が1億円を超える想定がなされたとしても、実質区費負担は1億円までということ以外認めることはできません。超過分に関しては、寄付金やその他の収入により確保していただくよう求めます。区長の考えを伺います。

 さらに、開館後は北斎作品の研究は、すみだ北斎美術館に事業を一本化すべきであり、文化振興財団への北斎事業費補助金の支出は行わないことを約束していただきたいと要望しますが、いかがでしょうか。

 次に、墨田区が1億円の北斎館資料取得基金を北斎の作品購入に使用している現状に関して、こちらも開館前をもって最後にしていただくことを求めます。税財源の投入ありきではなく、いかにこれを抑え、海外から寄付を募るなどといった試みで、いかに工夫して資金を集めるかという方法を全庁一丸となってしっかりと考えていくべきだと思うからです。区長の見解を伺います。

 この質問の最後に、すみだ北斎美術館を中心としたまちづくりについて伺います。

 両国駅周辺地区の観光まちづくり、あるいは亀沢地区の景観まちづくりの推進、そのほか道路工事など、さまざまな施策を挙げておられますが、やはりすみだ北斎美術館を中心としたまちづくりをどうするのか、総合的なビジョンを持って進めていく必要があると思います。現在、まちづくりに際しての地元の皆様の反応と区長の展望を伺います。

 大要2点目は、教育行政について3項目に分けて伺います。

 1項目は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正に伴う対応について伺います。大津市で起きた中学生のいじめ自殺問題がきっかけとなり、今年の4月に教育委員会制度を大幅に見直す改正が約60年ぶりに施行されました。

 このことに関し、まず新教育長選任の考え方について山本区長にお伺いします。教育委員長と教育長を一本化するという今回の改正で、新教育長を立てることにより、これまで責任の所在が不明確であった教育行政の責任の明確化が図られることが期待されております。その際、区長が議会の同意を得て直接任免されることと明記されておりますから、議会としてもこれまでにも増して責任重大であると認識しております。このほど、横山教育長が辞任の意向を示しており、直ちに新制度下の新教育長の選任が行われます。

 同法第4条では、教育長は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で教育行政に関し識見を有するもののうちから任免することとされております。私たちとしましては、現場の課題に精通し、24時間365日子どもたちの教育について考えてもらえるような、そんな情熱を持った新教育長を期待しておりますが、現段階で山本区長が考えておられる新教育長の資質、能力とはどのようなものなのでしょうか、伺います。

 次に、総合教育会議についてお伺いいたします。先月、8月20日に第1回総合教育会議が行われましたが、自民党といたしましては、山本区長に強いイニシアチブをとって進めてもらいたいという意見を最初に述べさせていただきます。

 総合教育会議は、「首長と教育委員会が教育行政の大綱や重点的に講ずべき施策等について協議・調整を行う場であり、両者が教育施策の報告性を共有し、一致して執行に当たることを期待している」というのが文部科学省の見解でありますが、今回、なぜ同法が改正されたのかという意味をいま一度考えていただきたいと思います。まさしくこの質問の冒頭に挙げた大津市のいじめ問題がきっかけで、このような問題が起きたとき、首長が関与できないというのはおかしいのではないかということが大きなきっかけとなったわけであります。先般の総合会議では、区長は単なる議事調整を行う議長にすぎず、公約に教育の重要性を掲げておられる山本区長がそのような認識をしておられるとは残念ながら全く感じることができませんでした。

 改めて山本区長に伺います。総合教育会議において議長としての区長の関わり方について、どのようにお考えでしょうか。また、第1回総合教育会議での結果が今回の第3回定例会で報告事項として上がってきておりませんが、これからどのように議会へフィードバックされ、そこで話し合われた内容がまたどのように総合教育会議に反映されていくのか、お伺いします。何回かまとめたものを報告されても時間差が生じ、その分、議会の対応も遅くなります。議会と行政は「車の両輪」と常々おっしゃっているように、是非スピード感を持って臨んでいただきたいと思いますが、山本区長の見解を伺います。

 次に、墨田区総合教育会議要綱案で、一つの大きな議論となりました第5条、傍聴人の制限についてお伺いいたします。それによれば、傍聴人の数は10人以内とする、ただし、区長が必要と認めるときは、これを変更することができると案が出されました。しかしながら、文部科学省の考え方にのっとると、会議を公開し、住民に開かれたものにすべきとの見解が示されているところであり、人数制限を行うというのは趣旨にかなわないと感じます。また、法改正の趣旨に沿うということのみならず、自民党といたしましては、墨田区として開かれた教育委員会を目指していくべきだと考えますが、区長の所見を伺います。

 続きまして、教育行政の大綱についてお伺いいたします。区長が策定することと定められている大綱が対象とする期間については、法律上規定はありませんが、文部科学省の見解によれば、区長の任期が4年であることや、国の教育振興基本計画の対象期間が5年であることに鑑み、4、5年程度のものとして定めるものとして想定しているとのことです。他方で、墨田区の教育振興基本計画である「すみだ教育指針」は10年間であります。そのあたりの整合性はどのようにお考えでしょうか。地方教育行政法第1条の3第1項によれば、地方公共団体の長は、教育基本法第17条第1項に規定する基本的な方針、すなわち本区における「すみだ教育指針を参酌し」といったことが明記されております。政治的中立を重視して長期的に考えるのか、区長独自のリーダーシップで考えるのか、山本区長に考えを伺います。

 2項目は、平成28年度4月から施行される学校教育法の改正について伺います。これにより、市区町村教育委員会の判断で、現在は法的根拠のなかった小中一貫教育を義務教育学校として創設できるようになります。9年間一貫教育の学校として現在6・3制となっている区切りも、学習カリキュラムも、学校が自由に決めることが可能になる予定です。中1ギャップの解消ほか、特色ある学校づくりとしてそれぞれの学校が切磋琢磨すること、子どもたちの学力向上にも大きな成果が得られるであろうということが期待できます。墨田区として現段階で小中一貫教育校の創設をお考えなのか、学校設置者としての山本区長の方向性をお聞かせください。

 3項目は、子どもの健康管理も視野に入れた貧困対策についてお伺いいたします。昨年、厚生労働省が発表した子どもの貧困率は過去最悪の16.3%に上り、6人に1人の約325万人が貧困に該当するという結果は全国に衝撃を与えました。日本の将来を担う子どもたちの対策は待ったなしの状況です。「子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図る」と大きく第1条に掲げられた「子どもの貧困対策の推進に関する法律」も施行されています。入学すれば塾代、受験費用の貸付金の返済が免除される受験生チャレンジ支援事業や、文部科学省が奨学金返済不要と打ち出している留学支援など、全ての子どもたちにありとあらゆるチャンスと可能性を広げてもらうため、これらも大いに活用していただきたいと思います。

 今回、その中で着目したいのが子どもたちの健康管理についてです。健康な体づくりの第一条件は食事です。では、子どもたちの食事についてですが、今、経済的な理由から3食食べられない子ども、経済的に貧しくなくても保護者の仕事により一人で偏った食事をとっているおそれのある子ども、実にさまざまです。人間の体は当然食べたものでつくられます。栄養バランスが考えられた食事により、勉強やスポーツを頑張ろうとする意欲も生まれます。豊島区や練馬区では、栄養バランスに不安のある子どもたちの対策で、NPO法人などが低価格で栄養バランスが考えられた食事をおなかいっぱい食べられるという「子ども食堂」が展開され、話題となっています。墨田区としても、子どもたちの健康状況の実態調査をしっかりとやるべきであると考えます。

 早くも足立区では、全国初となる子どもの貧困の実態調査のため、区立小学校全69校の1年生5,300人の保護者を対象に、アンケート調査を今年7月から10月をめどに実施を開始しました。内容は、所得や学歴、勤務形態、子どもの虫歯の有無、起床・就寝時間、朝食をとる習慣などを尋ねたもので、無記名での回答です。これも十分に参考にしていただき、さらに墨田区といたしましては、1歳までの乳児、就学前の幼児、就学後の児童と分けて調査を行っていただきたいと希望いたします。また、自民党といたしましては、税務、戸籍、保護行政等、全庁が保有するデータを突合し、把握していただきたいということも平成27年第1回定例会で求めています。こちらの進捗状況はどうなっているのでしょうか。区長の所見と併せて伺います。

 子どもの貧困対策の一環としての実態調査でもありますが、早い段階から健康増進の対策にも活用していただきたいとお願いいたします。現在、墨田区のがん死亡率は、75歳未満男性が23区中7位、女性は1位という結果になっています。しっかりがん検診を受けていただくことが第一に求められますが、多くが生活習慣を改善することにより予防できます。そのほかのさまざまな病気についても同様のことが言えます。しかしながら、生活習慣の改善はなかなか大人になってからは難しいものであり、子どものころに早目の対策を講じる必要があります。我が国の健康寿命と平均寿命の差を縮めるという対策も急がれているところであり、平成27年度の自民党予算要望の中に、国民健康保険の被保険者レセプトデータ、区民健康診査の健診データ及び被保護者の受診履歴を活用した「生活習慣病疫学調査」の実施及び科学的な政策立案を盛り込みましたが、早急にこちらも実施していただきたいと、加えてお願いいたします。区長の見解を伺います。

 大要3点目は、来年度の法改正に伴う対応について3項目伺います。

 1項目は、ふるさと納税について伺います。平成27年3月31日、税制改正関連法が成立したことにより、ふるさと納税の手続が簡素化され、確定申告が不要になりました。また、来年度からは特例控除額の上限がこれまでの個人住民税所得割額の約1割から2割になることを受け、更に利用する人の増進が見込まれます。本区も4月1日より北斎ふるさと納税事業をスタートされましたが、この機会をどのように活用されていくおつもりか、山本区長に伺います。

 2項目は、マイナンバー制度についてお伺いいたします。本年10月にマイナンバーの通知カードが区民の皆様に郵送される予定になっております。政府の決定で、マイナンバーに関する業務以外には身分証代わりに使えないようにすることとし、通知カードの配布後、希望者には来年1月以降にICチップ付きの個人番号カードが発行され、そちらは身分証として使える見通しであります。しかしながら、その個人番号カードを使って、何をどういうふうに利用できるかという具体的な利用事例がいまだ見えません。来月から通知が始まるのであれば、当然どういったことに使用できるか区民の皆様にお示しする必要があります。自民党としては、区の窓口業務でできるものは全て手続を可能にするという姿勢を望みます。また、利用者側だけではなく、中小企業等、対応する側にも支援を行わなければなりません。区の現状を伺います。必ず混乱が起きないように丁寧な対応をしていただきたいと要望いたします。

 3項目は、介護保険制度における要支援1、2向けサービスの一部市町村事業化についてお伺いします。全国一律基準のもと実施してきた給付から、墨田区の地域性、自主性を踏まえた上で、区として基準、単価を設定し、要支援者にサービスを提供する体制が本区では平成28年度からスタートいたします。それに向けての本区の進捗状況を伺います。利用者の方々がサービス低下や負担増を感じるようなことは決してあってはなりません。また、4月に行われた介護報酬の改定により、通所型サービスなど一部の報酬が大幅に引き下げられました。介護を行う事業所の方々も要支援者の方々に対し、しっかりサービスを提供していただけるよう官民一体となって事業を進めていただきたいと考えますが、区長の見解を伺います。

 大要4点目は、山本カラーと予算編成の透明化について伺います。

 平成28年度予算編成は山本区長が就任後、初めて組まれるものとなることから、自民党としても大変注目しております。山本区長は選挙時、墨田区を暮らしたいまち、働きたいまち、訪れたいまちとするため、七つの「すみだの夢実現構想」を公約として掲げられました。であるならば、そのためにどのようにしてより多くの墨田区に関わる皆様のお声を吸い上げ、ご自身の思いとともに次年度予算に反映させていくおつもりなのか、考えを伺います。

 次に、予算編成過程の透明化についてお伺いします。自民党としましては、議会からの視点に立ったとき、板橋区などのように事務事業別に400事業ほどにまとめて公表することが必要であると、かねてから要望しております。翌年度の予算編成に当たっては、従来予算の要求段階から、事務レベル、副区長と企画経営室長レベル、区長レベルでさまざまな査定が行われ、最終的には全体のバランスを見て、区長の政治的な判断を下すというプロセスになっております。

 前区長時代は、この件について前向きな答弁はいただけませんでしたが、最後の決定権は区長に委ねられているわけですから、区長の決断で事務事業別に公表するということも可能ということです。議会でより深い議論を行うため、改めて是非やるべきであると思いますが、この点についてこれまで推進の立場をとってきた山本区長の見解を伺います。

 最後に、自民党といたしましては、墨田区初の民間出身の区長として大いに期待している反面、もっと山本カラーを前面に押し出し、是非強いリーダーシップを発揮していただきたいと改めてお願い申し上げ、代表質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。

   

◆山本亨区長   答弁

 

 ただいまの自由民主党、しもむら議員のご質問に順次お答えをいたします。

 最初のご質問は、大学誘致についてです。

 まず、その進捗状況ですが、現在数校の大学と交渉を続けていますが、現時点において公表できる状況には至っておりません。そこで、いま一度、大学誘致の可能性・地域的ポテンシャル、マーケティングなどの検証を踏まえて、私自ら都心展開を検討している大学に足を運んで売り込みます。期限については、相手大学との交渉事ですので、一定の進捗があり次第報告をいたしますので、ご理解のほどお願いいたします。

 18歳人口の減少を目前に控え、150もの地方大学が淘汰されると言われているリスクの中で、安定的かつ将来的にも発展していくことが望ましいことから、従来どおり4年制総合大学を対象に誘致を進めます。なお、大学の要望があれば、隣接地の活用についても、既存施設の機能見直しや再配置等を視野に入れて検討してまいります。また、高さ制限等につきましても、昨年度調査した予定地周辺の現況調査から、都市計画諸制度の利用が可能であることが明らかになりました。そこで、大学が決まり次第、速やかに制度活用に向け、東京都と協議してまいります。私は文花地区における大学を中心としたまちづくりが重要であると考えておりますので、スピード感を持って取り組んでまいります。

 最後に、現在の校舎ですが、老朽化が著しく、ご指摘のとおり管理上・防犯上からも存続は厳しい状況です。今年度、公共施設等総合管理計画を策定することにより、来年度以降、解体経費も起債の活用が可能となりますので、方向性が決まり次第、速やかに校舎解体に着手します。

 次に、すみだ北斎美術館についてのご質問に順次お答えいたします。

 まず、現段階における観覧者予想数及び年間運営費についてです。指定管理料を算定するに当たって、運営が安定する平年度ベースで再試算した結果、観覧者予想数を9万5,000人、それに係る指定管理料は1億6,000万円と見込みました。これらに係る経費については、北斎基金からの繰入れ等により、実質1億円以内にとどめるよう努力させていただきます。

 また、文化振興財団補助金のうち、北斎関連事業補助は廃止する予定です。

 次に、北斎館資料取得基金についてですが、資料の取得は美術館開館後の事業活動の重要な要素でありますので、寄付の活用などのご提案も踏まえ、今後、議会とも相談の上、そのあり方について検討してまいります。

 次に、すみだ北斎美術館を中心としたまちづくりについてのご質問です。

 地元の方々の反応ですが、現在、緑町公園及び北斎通りの歩道等の整備を行うため、地域の皆様と意見交換会を実施しており、暮らしている方々にも優しいまちづくりが大切とのご意見をいただいております。また、地域の皆様と、地域に存在する観光資源などの掘り起こしを始めております。

 私は、これらの資源を活かしたまち歩き観光を魅力的に発信し、すみだ北斎美術館を拠点として、区内を回遊していただける国際観光文化都市すみだを形成してまいります。

 次に、教育行政についてです。

 まず、新教育長の資質、能力についてですが、教育に精通し情熱的であることはもちろん、人事政策や学校経営などにも幅広い知識と経験を持ち、精力的にリーダーシップを発揮し、さまざまな教育課題を積極的に解決する強い意欲を有した人材が望ましいと私は考えております。

 次に、総合教育会議における議長としての私の関わり方についてですが、先般の会議は初回でもあることから、会議の運営方法、教育大綱の策定に係る方針及び教育課題に係る自由な意見交換を行いました。次回からは、会議の主宰者として私自ら積極的に具体的な課題を設定し、活発な議論のもとで実のある会議としていきます。

 また、区議会との関係については、本会議や委員会等の場を通じて、議員の皆さんからいただいた意見を参考にできるように努めていくほか、教育大綱の骨子案や教育課題の方向性がまとまるなどの節目に当たっては、その都度区議会に報告させていただきます。

 次に、総合教育会議の傍聴人の数については、先の会議で決定したとおり、私としては希望する区民の方には、会場の選定も含め、可能な限り傍聴していただけるよう運営に努めていきますので、ご理解をお願いします。

 次に、教育大綱と「すみだ教育指針」との関係についてですが、大綱は、この指針の上位にある計画期間4年から5年の方針として策定し、教育委員会はこの大綱に基づき、教育指針を5年ごとに見直しを行っていくこととなります。したがって、今後は、平成28年度に策定予定の大綱を踏まえて平成29年度からの新たな教育指針が策定され、その後、大綱の計画期間に合わせた見直しが行われていくことになります。なお、この大綱の策定に当たっては、教育の政治的中立性に配慮しながらも、私の教育に対する思いを反映させた問題提起や提案なども行っていきます。

 次に、学校教育法の改正についてです。

 ご指摘のとおり、平成27年6月に学校教育法が改正され、区市町村の判断で、義務教育学校の設置が可能となりました。墨田区では、平成25年度から全区的に、中学校を中心としたブロックごとに、幼保小中の連携を進めているところです。小学校・中学校間においても、連携が着実に進み、教員の意識改革など一定の成果を上げており、中1ギャップの解消等にもつながっています。

 私としては、これらの施策をさらに推進するに当たり、義務教育学校の設置も一つの方法であると考えておりますが、教科カリキュラムや用地の問題、人員等の計画など検討を要する課題も多々あることから、教育委員会とも協議をしてまいります。

 次に、子どもの健康管理も視野に入れた貧困対策についてです。

 初めに、子どもの貧困率の把握に関する検討状況ですが、足立区に事前調査をしたところ、独立行政法人との共同研究であるため、具体的な質問項目や集計方法等は明らかにされておらず、同様の形式で実態調査を行うことが現時点では困難な状況にあります。

 このため、現在区が保有する就学援助率によると約26%、税情報の合計所得から推計すると約27%、児童扶養手当の受給者数から推計すると約18%などと把握できておりますが、これらの数字をもって本区の子どもの貧困率とは判断できませんので、他区の調査状況を踏まえ、さらに検討を進めてまいります。

 また、子どもの生活習慣の実態調査ですが、虫歯健診の実施や起床と就寝時間、朝食の摂取等の把握を現在保健所や教育委員会等で行い、必要な対策を講じているところです。ご提案の趣旨も踏まえた上で、実態把握に努め、引き続き子どもの健康に関する対策を講じてまいります。

 なお、生活習慣病疫学調査の実施等につきましては、特定健診データを活用し、糖尿病等重症化予防の保健指導を行うとともに、生活習慣病によるり患割合や医療費を分析しながら対策の検討を進めてまいります。

 次に、ふるさと納税についてです。

 本年4月1日から開始したすみだ北斎美術館に係るふるさと納税の手法を活用した寄付については、8月末現在で約700件、金額にして約3,000万円であり、当初見込みの2倍の約1億円が年度末までに見込まれております。

 本区が行っている北斎ふるさと納税事業は、区の内外から北斎のファンを募るとともに、すみだモダンを返礼品とすることで本区の特色ある産業のPRにもつながっています。これは墨田区のシティプロモーションの一環であり、今後とも区独自の施策を全国にアピールする有効なツールとして活用し、すみだを愛し、支援していただける人を増やしてまいります。

 次に、マイナンバー制度についてです。

 個人番号の具体的な利用事務については、法に規定された事務に限らず、社会保障、税、災害対策の分野においてさまざまな手続や事務で活用していただけるよう、新たに制定する条例の中で具体的に定めていきます。また、カード自体の独自利用については、住民票や印鑑証明書などのコンビニ交付等も検討を進めており、具体的になった時点で速やかに区民の皆さんにご案内をさせていただきます。

 また、中小企業等に対しては、区の商工相談で対応するほか、東京都等が主催する講習会やセミナーの紹介などを行っております。区としては関係機関と連携してセミナーを開催する予定であり、今後広く周知を図り、混乱のないよう対応してまいります。

 次に、要支援者向けのサービスの一部市町村事業化についてです。

 初めに、進捗状況ですが、本区では「介護予防・日常生活支援総合事業」として、これまで介護事業者を交えた検討会を数多く開催し、意見を伺うとともに、庁内における実施に向けた検討を重ねているところです。このたび、事業の大綱がまとまりましたので、今定例会で報告をさせていただきます。

 次に、利用者のサービス低下や負担増を感じることがないようにとのご指摘については、従来の介護予防給付として実施してきました事業と同様のサービスに加え、住民主体による支援や短期集中予防サービスを提供し、これまで以上に事業の充実を図ってまいります。また、利用者負担が増えることのないようにしてまいります。

 次に、官民一体となった事業の推進についてですが、介護事業者が実施している訪問・通所介護サービスは市町村事業として継続していく予定です。事業者に対するサービス事業費の単価についても、国が定める単価と同額にしたいと考えています。今後も事業者と連携・協力し、混乱のないよう進めてまいります。

 最後に、私のカラーと予算編成の透明化についてです。

 私のマニフェストである「すみだの夢実現構想」の七つのプログラムを平成28年度の区政運営の柱として、私の考えを前面に打ち出し、自ら先頭に立って予算編成作業に入ってまいります。

 次に、予算編成の透明化に対する私の見解についてです。

 ご指摘の事務事業別の公表についてですが、一般会計の事務事業の数が、標準経費と政策経費を合わせて約1,400あり、膨大な編成作業の中で全てについて公表することが時間的に困難なため、公表する事業の選定基準・方法等について具体的に検討を行います。

 また、公表事業の取りまとめ方法についても、現在の基本計画の施策体系別の整理が有効かどうかについて検証し、平成28年度予算の編成過程を、区民や区議会の皆さんに分かりやすく、より透明性が高まるような形で公表してまいります。

 以上で、自由民主党しもむら議員のご質問に対する答弁を終わります。

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