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平成28年第4回定例会  ​

平成28年第4回定例会一般質問

 

◆しもむら緑  質問

 

    墨田区議会自民党のしもむら緑でございます。通告してあります大要3点につき、山本区長、加藤教育長の明確で前向きな御答弁をお願いいたします。

 1点目は、国の制度改正及び新たな予算措置への対応について、六つに分けて伺います。

 一つ目は、無年金救済法と被保護者への影響について伺います。

 無年金の方を救済するため、年金を受け取るのに必要な加入期間を25年から10年に短縮する改正案が成立しました。早くて来年10月にも約64万人が新たに年金を受け取れるようになると言われていますが、このことを受けての被保護者への影響について伺います。

 二つ目は、債権法の改正について伺います。

 民法の中の債権関係の主に契約に関する部分の抜本的見直しが120年ぶりに行われる方向で、現在動いています。そこで、特に押さえておかなければならないのは、これまで民法に全く規定がなかった定型約款についてです。この改正により、契約条項の文言等の整理をする必要があります。この際、さらに明らかに適用され得ない定型約款条項が見直されずに使用されていないか、相手方が示した定型約款が明らかに本区にとって一方的に不利になるような内容でも、当該約款のままで締結されていないかなど、定型約款の内容や契約内容等も含め、改めて精査しなければならないと考えます。区の対応について伺います。

 三つ目は、義務標準法の改正について伺います。

 現在、小学1年生のみが対象になっている35人学級について、文部科学省が平成29年度から小学2年生にも拡大する方針を固めました。本区としては、既に全区において35人学級となっておりますが、来年度から変更が予定されている小学校の学校選択制や家族世帯の増加といった先を見越しての確実な人的配置、教室の確保が今後も必要です。区の対策を伺います。

 四つ目は、都市公園法の改正について伺います。

 国土交通省は、都市公園法におけるカフェ等の設置期間10年を20年から30年に延長することや、民間事業者がカフェや売店に合わせて、一般の公園利用者も使用できるトイレや駐車場、公園の中の道、植栽などを整備した場合に、助成制度を創設するという方針を新たに打ち出しています。

 先般、都市公園法にのっとり、リバーサイドカフェもオープンすることが決まりましたが、限られた財政負担で民間活力を最大限に生かし、魅力的なまちづくりを実現することが、これからは求められています。こうした動きの中で、墨田区としても、例えば一定の広い面積が確保できる隅田公園などで、そうしたにぎわいの創出といった施策が検討できないか、区の見解を伺います。

 また、この際加えて、公園のあり方についても伺います。

 かねてより公園でのボール遊び解禁を訴えてまいりましたが、その後の検討状況を伺います。区の条例には、公園でのボール遊びを禁じる文言はありません。これまで迷惑行為に当たると解釈され、禁止してきたわけです。しかし、近年、子どもたちの運動不足から、運動器が機能不全を起こすロコモティブシンドロームが心配されています。事態を重く見た文部科学省は、今年度から学校での健康診断に運動器検診を追加しました。このことからも、地域や学校で積極的に運動の機会を増やすことが重要であると言えます。体を動かすことの一つであるボール遊びに関しても、校庭開放との連携も図りつつ、今後新しく設置する公園については、まず解禁の方向で是非検討していただきたいと思います。さらに、公園全般の利用に当たっては、改めて幅広い年齢層からニーズを聴取することを要望します。区長の所見を伺います。

 五つ目は、耐震改修の上乗せ補助金について伺います。

 国土交通省は、平成29年度限定で、住宅の耐震改修に対する補助金の上乗せをする方針を発表しました。墨田区としては、この期間限定の上乗せ補助金を活用されるのか伺います。

 また、これらはしっかりと区民の皆様に利用していただかなければ意味がありません。どのような周知活動を行っていくのかも併せて伺います。

 六つ目は、特別養護老人ホームの運営主体の規制緩和について伺います。

 厚生労働省が、深刻化する介護施設不足を解消するため、借りた建物で特別養護老人ホームの運営を許可する方向で規制緩和を決定しました。このことを受け、墨田区としてもマンション事業者に周知を行ったり、特別養護老人ホームの運営事業者に対して、賃貸物件の情報提供を行ったりなどの対策をとるべきと考えますが、区の対応を伺います。

 2点目は、女性のための防災対策について伺います。

 先週の22日に福島県沖を震源地とする大きな地震がありました。その地震が、東日本大震災の余震であるということを後から知り、大変驚きました。改めて、今後30年以内に起こる可能性が高いと懸念されている首都直下地震や、そのほかの災害に対する備えも万全にしなければいけないという決意を新たにしました。

 これまでにも、防災対策についてはさまざまな質問をしてまいりましたが、今回は、内閣府男女共同参画局の「男女共同参画の視点からの防災・復興の取組指針」に示されていることを中心に、女性のための防災対策に特化して伺います。

 まず、女性の視点に立った避難所の運営等について伺います。

 東日本大震災では、避難所に授乳や着替えをする場所がなく、女性が布団の中で周りの目を気にしながら着替えたり、女性専用の物干し場がないため下着が干せなかったりと、さまざまな課題が浮き彫りとなりました。避難所の開設当初から、授乳室や乳幼児連れと単身女性や女性のみの世帯等のエリアの設定、休養スペースや相談所の設置、女性専用物干し場、更衣室、男女別のトイレを設けるといった対策が必要です。また、仮設トイレは、男性と比べて女性のほうが混みやすいことから、女性用トイレの数を多目にする配慮も必須です。さらに、トイレ、更衣室、入浴施設等の設置場所は、昼夜問わず安心して使用できる場所に設け、常に照明を付けるなど安全と安心の確保が望まれます。これらの対応が一つ一つ全ての避難所でしっかり行われる体制となっているのか、墨田区避難所運営マニュアル改訂版にも示されていることは承知しておりますが、実際の具体的な現状をお伺いします。併せて、全ての避難所での対応が難しい場合は、どのように対策を考えているのかも伺います。

 さらに、配偶者からの暴力の被害者に配慮した避難者名簿の対応や避難所でのDV、ストーカー行為が発生した場合の対策についても考えを伺います。

 女性に配慮した防災備蓄については、平成29年度までに人口から換算した必要量の配備を完了させる予定となっていますが、本当に必要なときに必要な方々に行き渡るように、避難所での配備場所も含めて再点検を改めてお願いします。

 次に、発災直後から災害対策業務に当たられる墨田区の女性職員の皆様についてお伺いします。

 今、大きな災害が起きたとき、すぐ駆けつけられる区内在住の女性職員の皆様は、全体で何名のうち何名いらっしゃるのでしょうか。東日本大震災では、緊急災害対策本部が設置されたものの、その中に女性が入っていないなど、女性管理職の登用等が課題となりました。それを受けて、内閣府男女共同参画局は、防災に係る政策、方針決定過程における男女共同参画の推進を図るため、防災担当部局の担当職員について、その男女比率を少なくとも庁内全体の職員の男女比率に近づけることや、管理職への登用等、女性職員の採用・登用の促進に取り組むことという指針を示しました。被災され不安を抱えた女性の皆様が、なかなか同性でないと相談しにくいさまざまな事案が発生した場合、真っ先に頼れる存在が女性職員の皆様であると思います。墨田区としても、指針に沿うように、女性の管理職や職員の占める割合についての数値目標と達成の年限を定めるなど、積極的改善措置を考えていただくことを望みます。また、その際には、子育てや介護等の家庭的責任を有する職員への配慮も忘れず、安心して業務に臨める対応を図ることも必要です。区長の所見を伺います。

 続いて、自主防災組織における女性の参画促進等について伺います。

 災害対応は「自助」「公助」だけではなく、地域における「共助」が不可欠です。災害発生後、大切な役割を担う自主防災組織では、男性だけではなく、女性も一員として積極的に活動に加わっていくことが、これまでの災害の教訓から求められています。墨田区が把握している現状を伺います。

 また、墨田区の避難所運営マニュアルでは、避難所の運営を行うため、避難所運営本部会議のメンバー3割は女性となるよう人員の確保に努めるべきと示されていますが、確実に実行されなければ意味がありません。現場のリーダーに複数の女性が含まれるよう、女性リーダーの育成を図ることが必要です。こちらも現状どうなっているのか伺います。併せて、区長の所見も伺います。

 災害対応にハウ・トゥーは存在しません。マニュアルに書いていることだけをやればよいというものではなく、原理、原則を共有した上で、実際の場面で臨機応変に対応していくことが重要になります。これまでの教訓を確実に生かしながら、墨田区としても万全の体制で当たっていただくよう、改めて強く要望いたします。

 3点目は、子どもたちが描いた夢が実現する社会の構築を目指した施策について伺います。

 私が政治を志した原点は「どんな家庭環境に育った子どもでも、未来への明るい希望が持て、夢を実現させることができる社会の構築を目指す」ということであります。今回、そのための第一歩として要望したいのが、教育と福祉の連携に対する取組についての施策です。具体的には、既にあるさまざまな奨学金制度や教育の機会均等を図るための福祉施策を全てまとめた一覧表の作成と、それが児童・生徒に的確に伝わるように、全教職員へ情報提供と指導を徹底していただきたいということです。せっかくさまざまな良い制度があるにもかかわらず、現在、その取組は残念ながら行われていません。それらの制度を知らずに、夢を諦める子どもたちが発生する事態は避けなければなりません。所管がまたがりますが、是非実行していただきたいと思います。区長及び教育長の所見を伺います。

 教育は国家百年の計と言われ、人づくりの根幹である次世代を担う子どもたちの教育の充実は、未来への重要な投資でもあります。現在の日本は、グローバル化の進展に伴い、外国籍の子どもたちの就学も急増しています。日本の義務教育においては、外国人の子どもの保護者に、その子どもを就学させる義務はありませんが、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、日本人児童・生徒と同様に、教科書の無償配布及び就学援助を含め、教育を受ける機会が保障されています。また、近年では、日本国籍を有しながら、日本語が話せない子どもたちへの対策も課題となっています。当然ながら、墨田区も例外ではありません。さまざまな社会の変化に対して柔軟に目を向けながら、教育が普遍的に目指すべき根幹を堅持しつつ、子どもたち一人ひとりが未来への明るい夢や希望が持て、自らの可能性を最大限に発揮できる環境づくりが必要であります。

 多様な個性が長所として肯定され、生かされる教育の実現には質の高い教職員の確保としっかりとした指導体制の確立も不可欠です。しかし、平成26年度のOECDの調査にて、日本の子どもの自己肯定感は加盟国の中で低く、日本の教員の自己肯定感も同様に低い状況にあるという結果が課題として報告されています。墨田区教育施策大綱にも自己肯定感を育む施策の文言が盛り込まれています。

 そこで、改めて、加藤教育長が考える子どもと教員の自己肯定感を高めるための対策を伺います。併せて、教育長就任1年以上を迎えられた加藤教育長が、学校現場や子どもたちに望む今後の未来への展望についても伺います。

 最後に、区長にお伺いします。

 区長は、墨田区総合教育会議における協議を経て、教育施策の基本方針である墨田区教育施策大綱を策定されました。墨田区基本計画と同位に位置付けられ、同基本計画と方針の整合性を図り、夢と希望にあふれるすみだらしい子どもを育成するため、本区の目指す子どもの将来像も設定されました。そのことも踏まえ、区長は墨田区の子どもたちの教育の機会均等や人材育成について、どのような考えをお持ちなのでしょうか。夢と希望にあふれるすみだらしい子どもを育成するためには、私は区長自らも夢や希望を持って語り、率先して子どもたちに対しても夢や希望を与える具体的な政策やメッセージを発信することが重要だと考えています。将来の展望が開け、明確な目標も定まれば、学力も自然に向上していくと思います。剣道の指導などで、これまでにも墨田区の子どもたちと真剣に向き合ってきた区長ご自身の言葉で、是非熱い所見を伺えることをご期待申し上げ、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

   

◆山本亨区長  答弁

 

 ただいまの自由民主党、しもむら議員のご質問に順次お答えします。

 最初のご質問は、無年金救済法と被保護者への影響についてです。

 区は、日本年金機構と連携して、区内で生活保護を受給する65歳以上の方約4,300人のうち、現に年金を受給していない約2,800人の受給資格を今後調査し、有資格者に対して年金の受給申請を勧奨します。被保護者が年金受給を開始すると、生活保護法上、収入認定の対象となり、現在の生活保護費から年金収入相当分が減額となります。また、年金額を含む収入の総額が所定の基準額を超える場合は、保護措置が廃止となる可能性があります。現在、生活保護費への影響の詳細については把握できていませんが、今後、日本年金機構等の協力を得て、その把握に努めていきます。

 次に、債権法改正に伴う定型約款に関する区の対応についてです。

 改正法案では、定型約款の定義を「定型取引において、契約の内容とすることを目的として、その特定のものにより準備された条項の総体をいう」と定め、定型取引とは、「ある特定の者が不特定多数の者を相手方として行う取引であって、その内容の全部又は一部が画一的であることが、その双方にとって合理的なものをいう」とされており、行政実務の中で、どのようなものが定型約款に該当するかを確認する必要があります。

 例えば、区が作成する契約書の多くは、契約の内容や種類によって、それぞれ定型化した契約約款を使用しており、それらが改正民法の定型約款に該当する場合は、適正、適法な契約内容となるよう対応していきます。また、契約の相手方が作成する契約約款も含め、法改正による影響部分を精査するとともに、区が作成している契約約款全般についても再点検を行います。

 次に、都市公園法の改正についてです。

 民間事業者によるカフェ等の設置期間の延長や公園施設との一体的な整備、運営を促す国の動向については区も認識しており、新たな便益施設の誘導や公園のサービス水準の向上に寄与するものと考えます。引き続き国の動きを注視するとともに、現在、北十間川周辺の一体的なにぎわい創出と回遊性向上を目指した整備を計画している隅田公園をはじめ、都市公園の魅力向上に向けた公園のあり方について検討していきます。

 次に、公園でのボール遊び解禁の検討状況についてです。

 公園・広場の新設やリニューアルを行う際は、地域的なバランスも考慮の上、幅広い年齢層から意見を伺い、可能なところから設置を検討します。なお、現在、京成押上線高架化に伴い生み出されたスペースを、ボール遊びのできる広場として整備するよう検討しています。

 また、子どもたちの健全育成や体力向上の観点から、学校をはじめとしたさまざまな施設や地域との連携を視野に入れながら、ボール遊びができる環境づくりに努めていきます。

 次に、国による耐震改修の上乗せ補助金についてですが、本区の重点課題である建築物の耐震化を更に進めるため、現在検討している耐震化の拡充策の中で、国の上乗せ補助金を活用したいと考えています。また、周知活動については、墨田区耐震化推進協議会やこの制度の利用の多い高齢者と関わりのある福祉関連団体等とも連携しながら、戸別訪問など積極的なPRに努めていきます。

 次に、特別養護老人ホームの運営主体の規制緩和についてです。

 用地確保が困難な都市部等において、特に特養ホームを運営する法人が、国又は地方自治体以外の者から、土地又は建物の貸与を受けて特養ホームを運営することが可能となりました。

 本区では、施設整備を行うための土地を確保することが困難な状況にあるため、今回の規制緩和は施設整備の選択肢を広げるものと期待しています。本年7月から「公益社団法人東京都宅地建物取引業協会墨田区支部」及び「公益社団法人全日本不動産協会 東京都本部城東第二支部」の協力のもと、保育園やグループホーム整備に適した不動産の情報提供を受けているところです。

 今後は、特養ホーム整備に係る不動産についても情報提供を受け、マンション事業者などへの周知を図り、併せて特養ホーム運営法人へ情報提供していきます。

 次に、女性のための防災対策についてです。

 まず、女性の視点に立った避難所の運営等についてですが、区では、平成26年度に実施した女性の防災対策懇談会からの提言を受けて、平成28年3月に墨田区避難所運営マニュアルを改訂しました。このマニュアルの中では、男女の差を踏まえた改善策として、例えば授乳室、男女別のトイレ、更衣室、洗濯物干し場などの設置を明記しました。特に、トイレについては安全な場所での設置、照明の確保、設置数の男女比が1対3の割合になるよう努めるべきとするほか、入浴施設についても出入り口に男女の受付者を設置して運営する旨を明記しています。

 各指定避難所によって条件は異なりますが、このマニュアルの趣旨を踏まえ、全ての指定避難所において女性の安全と安心に配慮した運営を行っていきます。

 次に、配偶者から暴力を受けた方に配慮した避難者名簿の対応や避難所でのDV、ストーカー行為が発生した場合の対策についてです。

 避難所運営マニュアルに示した避難者名簿については、本人の意思により非公開とすることができるなど、プライバシーに配慮した運用をすることとしています。また、避難所でのDV、ストーカー行為が発生した場合の対策については、専門の相談所を設けるほか、必要に応じ警察やNPO等の関係機関とも連携し対応します。

 次に、女性に配慮した防災備蓄物資については、平成29年度までに配備を完了する予定となっていますが、ご指摘の点を踏まえ、点検を進め、必要な方々への支援ができる態勢を構築します。

 次に、発災直後から災害対策業務に当たる女性職員についてです。

 ご指摘のとおり、災害時には女性の目線による対応が大変重要であると考えています。現在、区の職員の数は1,885名で、そのうち区内に在住する女性職員は337名、割合にして17.9%です。本区では、女性職員を含め、全職員が震度5強以上で参集し、避難所の運営など対応に当たることになっています。

 また、本年4月に策定した「墨田区女性の活躍推進のための特定事業主行動計画」では、本区の管理職に占める女性の割合を、平成27年4月1日現在の15.6%から平成32年度までに20%程度に、係長職では31.9%から35%程度にしていくことを目標にしています。そのためには、研修などを通じて職員の意識改革を図り、昇任意欲を醸成していきます。なお、職員全体に対する女性の割合については、現在、約半数となっており、適正な割合であると考えているため、特に目標を設定していません。

 さらに、同計画の中では、子育てや介護などの家庭生活と仕事が両立できる環境を整備していくこととしています。引き続き、定期人事異動に際しては、職員の自己申告を基に、可能な限り両立できるよう配慮し、安心して業務に臨める体制を整えていきます。

 次に、自主防災組織における女性の参画促進等についてです。

 自主防災組織の現状ですが、区民防災訓練や地域防災活動拠点会議への参画状況等を見ると、リーダーとしての女性の参画割合はいまだ低い状況です。一方、ご指摘のように、避難所運営マニュアルでは、避難所運営本部会議のメンバーの3割は女性とするよう人員の確保に努めることとしています。

 そこで、自主防災組織における女性の参画促進等を目的として、平成27年度から「女性の防災力向上講座」を実施するとともに「防災リーダー育成講座」への参加を働きかけています。さらに、地域防災活動拠点会議の場などを通じて、各自主防災組織に対し、女性の積極的な参画もお願いするなど、今後も積極的に女性リーダーの育成に努めます。

 実際に災害が発生した場面では、原理原則を踏まえつつも、その状況に柔軟に対応できる万全な態勢を整えていきます。

 次に、子どもたちが描いた夢が実現する社会の構築を目指した施策についてです。

 ご指摘の点については、私は、これまでも教育長とさまざまな意見交換をしてきたところです。現在、庁内で連携して進めている子どもの貧困対策や教育の機会均等を図る福祉施策の情報を分かりやすく取りまとめ、教育委員会に提供し、関係する教職員を通じて児童・生徒の保護者に的確に伝わるよう連携を進めます。

 最後に、本区の子どもたちの教育の機会均等や人材育成についてです。

 私は、区長選に立候補した際「将来を担う子どもたちが夢や希望をしっかり持てるまちを実現します」ということを公約で掲げました。今でもその思いは変わるところはなく、基本計画においても、最重点課題として“夢”実現プロジェクトの最初に、子育てに関する分野を位置付けています。

 剣道の指導の話がありましたが「礼に始まり礼に終わる」という武道の精神を通じ、1人の人間として子どもたちと向き合うたびに、その無限の可能性に気付かされます。家庭環境に左右されることなく、子どもたちが自分の意思で未来を切り拓いていくことができるように、子育て環境、教育環境の整備に取り組んでいきます。

 以上で、自由民主党、しもむら議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。

   

◆加藤裕之教育長  答弁

 

 自由民主党、しもむら議員のご質問に順次お答えします。

 初めに、義務標準法の改正についてです。

 国においては、小学校2年生の35人学級の実施に当たり、義務標準法の改正を行わずに予算措置により加配で対応しました。本区では、これを受けて平成24年度から小学校2年生について35人学級を実施しております。

 本区では、近年の人口増に伴い、小学校入学者も増加する傾向にあることから、将来の入学者数を推計して、学校と協議、調整しながら、余裕教室を普通教室化するなど、計画的に確保する取組を行っております。

 今後も、教室整備に加え、見直しを行った小学校の学校選択制度の円滑な運営や優秀な人材の確保等、児童のより良い教育環境づくりに向け、必要な対応を図っていきます。

 次に、福祉施策の情報提供についてです。

 教育委員会では、本年度、墨田区育英会以外の東京都や国のさまざまな奨学金制度が分かりやすく表示されるよう、ホームページの表記を変更したところです。また、本区の他の部署で実施している修学のための貸付事業も、窓口等でご案内をしております。

 ご提案の教育機会均等を図るための福祉施策については、福祉と教育が連携する大変有意義なものであると考えますので、関係する教職員に情報を提供し、児童・生徒の保護者に確実に伝わるよう指導していきたいと考えております。

 次に、子どもと教員の自己肯定感を高めるための対策についてです。

 ご指摘のとおり、OECDにおける調査にて、日本の子どもたちの自己肯定感については、低い状況にあると報告されております。私は、教育施策大綱の目指す子どもの将来像にあるように、自己肯定感を育みながら、周りの人の立場や気持ちを思いやることができる人に子どもたちを育てることが大切だと思います。例えば、教員が授業において、将来に夢や希望を持つことの重要性を教える授業を展開すること、教員が子どもたち一人ひとりの良いところを認め、伸ばす姿勢を持って教育活動をすること。また、学習内容が理解できる喜びを感じさせるよう学習指導をすること。あるいは、住んでいるすみだのまちの文化や歴史を学びながら、郷土に関心と誇りを持ち、発信したい気持ちを持つような環境を整えることが大切だと考えます。

 また、教員に自己肯定感を持ってもらうためには、先ほど申し上げた授業や教育活動を行うことで、子どもたちの学力向上や人としての成長をしたと教員自身が実感できることが必要だと考えます。そのためには、研修等を通じ、切磋琢磨しながら良いところを認め合い、学び合うなど、教員の資質能力を継続的に高めていく学校風土をつくることが大切だと考えます。

 次に、私が学校現場に求める見解についてです。

 新しい教育委員会制度において教育長を拝命し1年が経過しました。責任の重みを日々感じておりますが、私が日ごろから校長会等で話していることは、校長がリーダーシップを持ち、明確に目標を提示すること。また、各教員がその目標に向かって努力できるよう、モチベーションを高めることが大切であるということです。このようなことにより、学校は児童・生徒の学力向上だけではなく、いじめ、不登校などさまざまな教育課題に組織として立ち向かっていくことができると考えております。墨田区は、学校を支える地域力のある大変すばらしい地域であり、学校が地域や家庭と連携、協働していくことで、さらに信頼される学校づくりにつながると考えております。

 また、墨田区の子どもたちには、大きな可能性があると考えております。教育施策大綱の目指す墨田区の子どもたちの将来像にあるように、子どもたちが将来社会で活躍し、自らの夢を実現するため、子どもたちの可能性を最大限発揮できるよう、区長部局と連携し、教育施策を推進していきたいと考えております。

 以上で、自由民主党、しもむら議員のご質問に対する答弁を終わります。

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