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平成28年第2回定例会  ​

平成28年第2回定例会一般質問

 

 

◆しもむら緑 質問

 

    墨田区議会自由民主党のしもむら緑でございます。

 一般質問に入る前に、先の熊本県、大分県を震源地とする地震によりお亡くなりになられた方々に、心から哀悼の意を表するとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

 それでは、通告してあります大要3点につき質問いたします。

 これまでの自民党の代表質問や、ほかの会派の皆様の質問と一部重なる点がございますが、私なりの視点で質問させていただきますので、山本区長、加藤教育長、そして小久保選挙管理委員会事務局長の明確で前向きなご答弁をよろしくお願いいたします。

 大要1点目は、震災を教訓とした防災対策について伺います。

 平成26年墨田区議会第3回定例会において、当時の山崎区長に対し、私は「明日にでも大きな災害が起きて、墨田区と他区をつなぐ橋が全て落ちてしまったらどうするか。高速道路も壊滅、そうなった場合のことなど、しっかりシミュレーションしているのか」という質問をしました。さらに「大災害の際、すぐに駆け付けられる区内在住の職員は全体の何名に対し、何名いるのか」とも尋ねました。

 今、大きな災害が起きた場合、職員の皆様は全員そろわれた状態で早急に動ける体制なわけですが、これが夜中や休日に起こったとしたならば、初動態勢も変わってくるからです。改めて、山本区長にも同じ質問を投げ掛けたいと思います。

 今回の熊本地震では、橋が崩落しました。また、度重なる余震により、耐震補強したばかりの小・中学校が損傷するなどの事態も起こりました。国が定めた新耐震基準であったとしても、地域のさまざまな事情から、絶対に安全ということは言えないということが浮き彫りになった形です。

 けれども、決して想定外という事態は許されず、区民の生活と財産を守るため、常にいつ何が起きてもおかしくないという心構えで、墨田区の防災対策に全庁一丸となって当たっていただくことを望みます。懸念されている首都直下地震は、人口密度の非常に高く、建物等が密集した場所で発生する都市型災害です。国などの重要機関も集中している中で、実際大きな災害が起きた際の被害ははかり知れないということを改めて強調し、阪神・淡路大震災をはじめ、これまでの震災の教訓も踏まえた上での区長のお考えを伺います。

 次に、物的支援について伺います。

 熊本地震発災直後、墨田区は熊本市からの要請を受けて、速やかに支援物資を送られました。東日本大震災の教訓を生かし、女性に配慮した支援物資も含まれていたことは、大変よかったと思います。その中で、現地に実際赴かれた職員の皆様から、新たに何か改善すべき点など報告として上がってきたでしょうか。

 例えば、粉ミルクについては、災害時お水やお湯がないといった理由で使えない場合があるので、かねてより海外では普通に売られている、水不要の乳児用液体ミルクの存在が注目されています。日本では、まだ製造、市販はされていませんが、東日本大震災や熊本地震の際、緊急支援物資として厚生労働省の許可を得て海外から被災地に届けられ、大変重宝したと仄聞しています。これに限ったことではなく、常にアンテナを張りめぐらせ、災害時にはどういった物資が必要か想定しておくことが大切だと思います。区長の考えを伺います。

 さらに、今回熊本地震では、県庁に多くの支援物資が届けられましたが、さばききれず、避難所等への配送が遅れたことも課題となっていました。そうした事態は回避しなければなりません。現在、墨田区は災害時、ほかの自治体と協力協定を結ばれていますが、大きな災害が起きた際、それぞれの自治体から送っていただく物資をある程度事前に決めていたほうが、初動時スムーズに対応できると考えますが、区長の所見を伺います。

 また、災害時の協力協定は、締結数が多ければ多いほどよいと考えます。協力協定は、ほかの自治体のみならず、あらゆる事態を想定して、ほかの民間団体等とも積極的に結ばれることを要望いたします。当然、墨田区が壊滅的な被害を受けた場合、東京都内の自治体や民間団体も同様の被害を受け、支援を求める側になりますので、そのあたりも考慮の上、遠方との協力協定も積極的に締結されるように望みます。区長の考えを伺います。

 続いて、住宅市街地総合整備事業による密集市街地対策について伺います。

 荒川区が、道路や公園整備以外に、耐震性貯水槽整備や深井戸整備を進めています。防災訓練の際は、スタンドパイプ以外に、その井戸を活用し住民の皆様でバケツリレーも行っているそうです。是非墨田区でも、木造密集地域に関しては深井戸整備を進めていただきたいと提案しますが、区長の所見を伺います。

 この質問の最後に、罹災証明書の発行についてお伺いします。

 今回の熊本地震に限ったことではなく、震災時、決まって罹災証明書の発行の遅れが指摘されています。主に職員が避難所の対応に追われ、被害住居の現況調査が行えないことが要因です。罹災証明書が発行されなければ、誰が困るのでしょうか。それは区民の皆様です。税金、国民健康保険料の減免や被災者生活再建支援金、住宅応急修理制度の利用や災害支援金を利用することができません。区民の皆様が大変困る、このような事態は本来あってはならないことです。

 墨田区としては、早急に対応できるようなシミュレーションをしっかり行っているのでしょうか。圧倒的に人手が足りなくなることが事前に想定できているのですから、当然対策を考えておくべきです。調査員は、必ずしも区の職員が行う必要はありません。ほかの自治体の職員に応援要請を頼むことや、建築士以外の民間団体の協力を仰ぐ等、さまざまな方法が考えられると思います。

 ある日突然、大切な住まいが一部損壊や全壊となったならば、誰でも絶望に近い心境に陥るはずです。そこから何とか頑張ろうと、復興に向けて歩みを進めてもらうためにも、迅速な発行手続が行えるよう、改めて強く対策を求めます。区長の所見を伺います。

 大要2点目は、子育て先進都市を目指して、是非山本区長には子育てしやすいまちづくりを先駆的に取り組んでほしいという思いを込めて質問いたします。

 まず、子どもの貧困対策も含んだ子どもの健康・生活実態調査について伺います。

 かねてより、この実態調査に関しては、墨田区でも実施してほしいと要望を繰り返してまいりました。その後、前向きに検討が進んでいると認識しています。進捗状況の詳細を伺います。

 当然ながら、調査を行うことが目的ではなく、その結果を受けての対策が非常に重要です。子どもの健康・生活実態調査は、全国に先駆けて足立区が小学1年生を対象に行いましたが、その結果が今年の4月に発表されました。例えば、生活困難世帯の子どもは虫歯の本数が多い傾向にあり、予防接種も受けていない割合が高かったということが分かりました。また、逆境を乗り越える力、自己肯定感が弱いことも指摘されています。こうした分析結果も踏まえ、墨田区としてもしっかりとビジョンを持って、今後の子どもの対策に積極的に力を注いでいただきたいと思いますが、区長の所見を伺います。

 次に、児童福祉法の改正により、遅々として進まなかった児童相談所の23区移管がいよいよ現実味を帯びてきたことについて、墨田区のこれからの動きを伺います。

 本区としては、何年までに移管を完了させたいという計画でいるのでしょうか。また、今回の権限移譲に伴う財源移譲に関しても、しっかり要求すべきと考えますが、現在どのような話合いが進められているのでしょうか。さらに、大変重要な専門員の確保や育成についても、東京都とどのような連携を図り、進めていくのか伺います。児童相談所の設置場所や一時保護所の考え方についても改めて見直し、墨田区としての立場、方向性を明確に示す必要があると思います。区長の所見を伺います。

 この質問の最後に、少子高齢化・人口減少社会が進む中で、都心部においては人口が増加しています。その中で、待機児童の問題解消や次世代を担う子どもたちの育成は、優先的に取り組んでいただきたい課題です。

 今年の4月に、自殺対策基本法が改正されましたが、産後うつ病やそのことによる自殺の問題も大変深刻です。私としては、フィンランドで取り組まれ、日本の自治体にも広がりをみせつつある、妊娠、出産、子育てまで切れ目なく支援する「ネウボラ事業」なども、是非導入していただきたいと考えますが、山本区長の所見を伺います。

 大切な次世代を担う子どもたちのために、墨田区の子育て環境をどう整えていくべきか、山本区長自身はどうされたいか、いま一度はっきりとした展望を掲げていただき、子育てと言ったら墨田区と言われるような、どこよりも先駆的な対策を講じていっていただくことを切に望みます。所見を伺います。

 大要3点目は、主権者教育について、関連する事項も含め、加藤教育長、そして小久保選挙管理委員会事務局長にそれぞれ考え方を伺います。

 公職選挙法の改正により、来月予定されている参議院議員選挙から18歳の選挙権が行使されます。

 まず小久保選挙管理委員会事務局長に伺います。

 選挙管理委員会としては、今回の改正により更なる投票率アップのため、心理的要因、物理的要因を含め、どのような新しい取組を講じるのでしょうか。例えば、これまでと違った啓発活動や利便性の高い場所等へ期日前投票所を設置するといった試みなど、現段階での具体的な取組の進捗状況を伺います。また、今後の対策についても伺います。

 続いて、加藤教育長に伺います。

 憲法改正の手続のために必要な国民投票法における投票年齢も、今回の公職選挙法の投票年齢も18歳に引き下げられました。それに合わせて、今後民法や刑法の改正も課題となってくると思われますが、今、改めて主権者教育について真剣に議論する時期に来たと私は感じています。

 文部科学省から発表された、主権者教育の推進に関する検討チームによれば、主権者教育の目的を「単に政治の仕組みについて必要な知識を習得させるにとどまらず、主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うことができる力を身に付けさせること」としています。つまり、民主主義とは何かを学ばせるということです。

 また、子どもたちの発達段階に応じて、学校、家庭、地域が互いに連携、協働し、社会全体で多様な取組を行うことが必要であるとも述べ、取組を行うに当たっては、学校等のみならず、教育委員会等の地方公共団体の関係部署が、積極的な役割を果たすことも重要であるとしています。

 昨年12月には、全国全ての国公私立高等学校等に「私たちが拓く日本の未来」という政治参加意識を高めるための副教材が配布されました。政治的中立性を確保した上で、現実の具体的な政治的事象を扱うことや、模擬選挙や模擬議会など現実の政治を素材とした実践的な教育活動を、その教材を活用し、積極的に行うことが期待されています。

 今後、小・中学校段階においても、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う教育の充実に向けて、何らかの具体的な取組が求められてくることと思います。日本の将来にとって、とても大切なことですので、墨田区としても今からしっかりビジョンを持って取組を考えておく必要があります。

 そこで加藤教育長に伺います。

 小・中学校で主権者教育を行うに当たり、加藤教育長は何を子どもたちに習得させることが最も重要だと考えておられますか。今回の18歳選挙権が、大正デモクラシーに裏付けられた「普通選挙運動」、戦前から続けられていた「婦人参政権運動」のような過去2回の改革と違い、若者が自ら望んで手に入れたものではないという点から、若年層の投票率の低さに更に拍車をかけるのではないかと懸念される声も聞かれます。

 若年層が投票に行かないのは、自分自身が1票を投じたところで、何も変わりはしないという諦めの精神が高いということが主な要因として挙げられます。そのポリティカルアパシーの問題を、教育によってどう解決していくか、しっかり考えていかなくてはなりません。この点についても加藤教育長の所見を伺います。

 私自身は、今、試行錯誤しながらさまざまな取組がなされようという中、主権者が投じた1票によって選ばれた代表者が、最後は多数決によって案件の議決を行うということ、主権者が決定機関と実施機関を選ぶことができる二元代表制の仕組みなどを、しっかり教えることが最も重要だと考えています。是非選挙管理委員会とも連携を図りながら、今実施されている中学生区議会の更なる充実、小・中学校でも模擬投票の授業を積極的に実施するなどして、その重要性を説いていただきたいと考えますが、加藤教育長の所見を伺います。

 これまで、教育基本法第14条2項の「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」ということのみに注目が集まり、ひとり歩きしてしまっていた感が否めません。第1項の「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」ということにも改めて重きを置いていただき、相対的価値の実現に向けた主権者教育をこれから行っていただきたいと最後に強く申し上げ、私の一般質問を終わります。

 ご清聴ありがとうございました。

   

◆山本亨区長 答弁

 

 ただいまの自由民主党、しもむら議員のご質問に順次お答えをいたします。

 最初のご質問は、震災を教訓とした防災対策についてです。

 まず、地震発生のシミュレーションについてですが、区では平成24年に東京都から公表された現行の「首都直下地震等による東京の被害想定」のうち、区内で最も大きな被害の発生が想定されるマグニチュード7.3、震度6強を基準として防災対策を講じています。

 また現在、区内在住職員は、職員1,895人に対し539人で、即応できる体制を整えています。特に、休日、夜間に災害が発生した場合でも必要な対応ができるよう、あらかじめ区内在住職員を中心とした臨時非常配備職員を指定し、十分な体制をとっています。

 これまでの震災の教訓を踏まえた万全な防災対策を講じ、懸念される首都直下地震をはじめ、発災時には区民の生命と財産を守ることを最優先に取り組んでいきます。

 次に、災害備蓄物資についてです。

 区では、災害応急活動を十分に果たせるよう平素から物資を確保し、増強にも努めています。熊本地震を踏まえた備蓄物資の改善については検証が必要ですが、備蓄の基本方針としては、これまでに発生したさまざまな災害を教訓とし、即応性、携帯性、安全性のほか、高齢者や障害者、女性、乳幼児等への配慮も行うことが大切であると考えています。

 次に、物資支援の方法と防災協定の充実についてです。

 本区が支援を受けるに当たっては、被害状況に応じて対応する必要があるため、あらかじめ品目を決めておくことは困難です。発災後の初動時に、円滑な物資受入れの体制を整えておくことは、今回の熊本地震の教訓としても、重要な課題であると認識しています。

 本区においては、現在も複数の自治体や民間団体等と防災協定を締結していますが、まずはこれらの協定締結先と改めて平素からの情報交換等を行うとともに、遠方の自治体、民間団体も含め、広域の連携により、確実かつ効果的な相互支援の仕組みづくりに努めていきます。

 次に、木造密集地域における深井戸設置についてです。

 ご紹介のとおり、住宅市街地総合整備事業の活用により、荒川区では深井戸を整備した事例があります。本区においても、マンホールトイレの洗浄用に井戸を設置しておりますが、ご指摘のとおり、防災に生かせる水の活用については、密集市街地における有効な対策の一つであると考えますので、今後、国の補助制度等の可能性も含め、広く研究していきます。

 次に、罹災証明発行の迅速化についてです。

 本区では、罹災証明の発行に当たり、災害対策基本法等の法令及び墨田区職員災害対策マニュアルに基づき対応することとし、必要なシミュレーションを行っています。特に、災害対策基本法では、罹災証明の発行に関し、他の地方公共団体や民間団体との連携の確保等により、罹災証明の交付体制を充実すべきことが規定されていますので、本区としてもこの趣旨を踏まえ、確実な実施体制を確保していきます。

 また、本区においては、建築、法律、福祉等の民間の専門家による墨田区災害復興支援組織も設置していますので、今後ともこれらの組織や民間団体とも連携し、迅速に罹災証明が発行できる体制の充実に努めます。

 次に、子どもの健康・生活実態調査についてです。

 今年度、本区は東京都に協力し、子どもの貧困対策の基礎データを得るため、小学生、中学生及び高校生の中からそれぞれ同一学年の一定数の児童・生徒等及びその保護者を対象に、8月から9月にアンケートを行い、調査を実施します。

 この調査は、都内の複数の区市を対象にするもので、多くのデータが得られるほか、他の自治体との比較ができるなど、子供の貧困対策を今後検討するに当たって、効果的なものと考えています。今後、これらの調査結果に基づき、対策を講じていきます。

 次に、児童相談所の移管に対する本区のこれからの対応についてです。

 過日、児童福祉法の改正があり、国は5年間、人材育成等の支援を行うとしています。本区としても、この5年のうちに児童相談所の移管を東京都に求め、設置場所の検討を行っていきますが、移管に当たってはさまざまな課題があることも事実です。まずは移管の枠組み、とりわけ財源、人材の確保を最優先に、区長会を通し都と協議を進めていきます。また、一時保護所については、同様に都区の協議を進めていく中で、23区として設置方法等について検討することとしています。

 最後に、今後の墨田区の子育て環境整備についてです。

 私は、次世代を担う子どもたちの育成は最重要の課題であると考えており、就任当初から、子育て環境の徹底整備を掲げ、区政運営に取り組んできました。ご提案のネウボラ事業のような妊娠、出産から子育てまで、切れ目のない支援を行うことは重要であると考えています。

 本区は、子ども・子育て支援事業計画を基に、妊娠期には「ゆりかご・すみだ事業」、出産期には「こんにちは赤ちゃん訪問事業」、子育て期には子育て支援総合センターや児童館を中心とした「地域子育て拠点事業」を行っています。また、妊娠期から就学前に係る子育てに関するサービスの相談には「保育コンシェルジュ事業」を行うなど、すみだ版のネウボラとも言える事業体系を構築してきました。

 これらを新しい基本計画の“夢”実現プロジェクト「暮らし続けたいまち」において、子ども・子育て支援が徹底整備されたまちづくりとしてプロジェクト化しており、全庁を挙げて支援を更に充実させるべく、子ども版地域包括支援センター事業などに取り組んでいきます。こうした取組を力強く推進することで、子どもたちの夢と希望がかなう、どこよりもすてきで笑顔にあふれたまちを目指します。

 以上で、自由民主党、しもむら議員の私へのご質問に対する答弁を終わります。

   

◆加藤裕之教育長 答弁

 

 自由民主党、しもむら議員の私に対する質問に順次お答えします。

 まず、主権者教育で子どもたちに何を習得させたいかについてです。

 政治の仕組みや原理についての知識を得ることだけではなく、社会、経済、国際関係などのさまざまな分野における日本の現状や課題を理解することが、政治的な教養を育むためには重要であると考えます。また、課題を多面的、多角的に考え、判断し、根拠を持って自分の考えを主張する力を身に付けていくことも必要であると考えます。

 これまでも、小・中学校においては、ある課題に対してさまざまな手段で多様な情報を把握して調べ、自分の意見をまとめ、ペアや小集団で話し合い、一定の結論を出すといった学習を行っています。また、学校生活の改善や向上のために、委員会や児童・生徒会活動を通して、自発的、自治的な取組も行ってきています。こうした点を更に重視し、論理的思考力、多面的、多角的に考察し、公正に判断する力、協働的に追求し解決する力を習得させたいと考えております。

 次に、ポリティカルアパシーの問題を教育によってどう解決してくかについてです。

 政治の仕組みや原理について暗記するだけではなく、具体的な事象を扱い、話合いなどで自ら考えをまとめていき、関心を持たせていくことが重要と考えます。本区の中学生の副読本「ふるさとすみだ」では、平成27年度の区長選挙の投票率が、期日前投票や不在者投票も含め50%以下だったことや、区議会だよりを読むという内容も記載されています。また、これからの墨田区を考えようという項目では、墨田区への提案やそのための対策を調査して調べるプレゼンテーションをするなどの活動を取り入れ、政治に関心が持てるように取り組んでいるところです。引き続きこのような取組を推進していきたいと考えております。

 次に、主権者が投じた票により選ばれた代表者が、どのように議決していくかということの重要性についてです。

 政治の問題は、国民生活に極めて密接に関係しており、さまざまな意見が対立することが多く、最終的には多数決で合意を形成するということや、多数決が有効に生かされるためには、多様な意見が出し尽くされ、少数の意見や根拠も明らかにしながら比較検討することが必要であると認識しております。そのために欠かせないのが、話合うことだと考えます。

 

◆小久保明選挙管理委員会事務局長 答弁

 

 最後に、投票率アップのための新たな取組についてです。

 選挙権年齢の引き下げに伴い、若年層を中心とした選挙啓発は、今後ますます重要になるものと考えています。そこで、参議院議員選挙に向けた新たな取組として、18歳選挙権をPRする横断幕、懸垂幕の設置や、若年立会人制度の拡充のほか、若年層になじみの深いSNS等の広報手段も活用し、選挙啓発を更に拡充してまいります。

 また、今後は教育委員会とも連携して、区内小・中学校における出前授業や模擬投票等の取組を強化していくほか、生徒の一部が選挙権を有することとなる区内の高等学校につきましても、明るい選挙推進協議会ともども全校を訪問し、地域との連携方策について協議を始めており、是非新たな啓発の取組を実現したいと考えております。なお、期日前投票所の効果的な再配置等についても、中長期的な課題として検討を継続していきます。

 以上で私の答弁を終わります。

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